ジムニーのキャタピラとはどんなものなのでしょうか。
ジムニーのカスタマイズに興味があると言う方の中には、キャタピラを装着させてみたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
キャタピラを装着すれば、タイヤでは走行が困難だった悪路も走ることが可能となるため概要を知りたいという方も多いはずです。
そこで今回は、キャタピラはどんな場合に装着する物なのかや改造する場合に掛かる費用と装着後の注意点などを中心に、ジムニーとキャタピラについて解説していきます。
ジムニー キャタピラ:キャタピラはどんな用途の場合に装着する物なのか?
自動車は、ほとんどの場合タイヤを装着して走行を行いますがキャタピラは、どんな場合に装着する物なのかよく分からないと言う方もいらっしゃると思います。
キャタピラを装着しての走行は、主に山間部や雪上など一般的なタイヤでは走行することが困難な場所を走る際に用いられます。
スキー場のゲレンデなどで、整地をする為にキャタピラを装着した車両を見た事があるという方もいらっしゃると思いますが、あれはタイヤでは雪上路面と接地する面積が少なく走行が行えないために、キャタピラが装着されているのです。
また、沼地など泥道でもスタックする事無く走行できることから路面の状況が悪条件であるほど効果を発揮するという特徴を持っています。
身近な所で例を挙げると、工事現場などでショベルカーを目にしますが泥が盛られている地面や凹凸が激しい路面などを物ともせず走行できるのは、キャタピラによって路面との接地面が多くなっているからなのです。
この技術を自動車に応用し、悪路でも走行を可能にするためキャタピラ付きの自動車が存在します。
ジムニー キャタピラ:改造にかかる費用はどのくらい掛かる?
キャタピラを装着する場合、一般的なタイヤ交換を行うような簡単な作業では無くキャタピラを動かすためのユニットを取り付けなければならないため、大がかりな作業となります。
では、具体的にはどれくらいの改造費用が掛かるのでしょうか。
これは、架装を行う業者によって価格が異なるため一概に言えることではありませんが、平均的な改造費用はジムニーの場合で約120万円~240万円、それよりも大きい車種の場合は320万円程が平均的なキャタピラの価格になります。
このほかに、キャタピラを装着するための工賃が約15万円~50万円ほど追加で必要となるため総合的な改造費用はジムニーの場合、約140万円~260万円前後となるケースがほとんどです。
ジムニー キャタピラ:改造車としての申請は必要?
キャタピラの装着は、雪上や泥道などの走行を目的として取り付けを行いますが、車検を行う場合などにおいて改造車としての申請は必要なのかと言う疑問が浮かび上がると思います。
結論から先に言ってしまうと、車を走らせる上で必要となるブレーキ部分などの保安部品に大幅な構造変更を行わなければならず、車体からキャタピラ部分がはみ出してしまうため、構造変更申請や改造車申請を行わなければ走行させる事はできません。
これは、道路運送車両法という法律で一定範囲外の構造変更・改造に該当する為で、一定以上の改造を行った車両は改めて別の車として登録を行わなければならず、申請を怠った場合は不正改造車と見なされるため、キャタピラ装着後は必ず申請を届け出なければならないのです。
また改造車としての申請は、実走の検査や安全性の確認など多岐にわたる検査項目を実施しなければならず、申請の許可が下りるまでに半月ほど掛かる場合がありますのでスケジュールに余裕を持たせておかなければなりません。
ジムニー キャタピラ:公道を走行することは可能?
改造車の申請と共に疑問となるのがキャタピラを装着した車は、公道を走行できるのかという点です。
道路運送車両法では、キャタピラを装着している車両の公道走行は原則として禁止されており、タイヤを装着している車両に限って走行が認められています。
しかし、元々乗用車であった車両にキャタピラを装着し改造を行っている場合には、構造変更申請や改造車両申請を行っている場合に限り、公道での走行が可能となります。
また、一部ではキャタピラを装着した車両を運転する場合、大型特殊免許の取得が必要などと言われるケースがありますが、これはショベルカーなどのキャタピラが付いた大型重機を運転するために必要な資格であり、乗用車を改造してキャタピラを装着した場合には普通車扱いとなるため、新たに資格を取得する必要は無く普通運転免許での運転が可能です。
ジムニー キャタピラ:キャタピラ装着後の注意点
ジムニーにキャタピラを装着した場合、構造変更申請や改造申請を行えば公道を走行することができますが、キャタピラ装着後は幾つか注意をしなければならない点が存在します。
小回りが利かなくなる
キャタピラは、その構造から本来タイヤが装着されている位置よりもボディーの外側へ取り付けられるケースがほとんどですが、方向転換を行う駆動箇所の間隔が広がるためタイヤ装着時と比べ圧倒的に小回りが効かなくなる事から、ステアリング操作に気を配らなければなりません。
車幅が大きく広がる
ジムニーに装着することのできるキャタピラの平均的な幅は300mm~330mm程となっており両輪分を合わせると約600mm(60cm)も車幅が大きくなると言う事になります。
そのため、通常の車両間隔で運転を行うとキャタピラ部分が設置物や人と接触してしまい大事故に繋がる可能性があるため、公道を走行する場合には普通自動車を運転する以上に安全への配慮を行わなければなりません。
ジムニー キャタピラ:まとめ
今回は、キャタピラはどんな場合に装着する物なのかや改造する場合に掛かる費用と装着後の注意点などを中心に、ジムニーとキャタピラについて解説してきましたが、キャタピラは山間部や雪上など一般的なタイヤでは走行することが困難な場所を走る際に用いられる事が分かったと思います。
また、構造変更申請や改造申請を行えば公道を走行することも可能ですが、小回りが利かなくなる点や車幅が大きく広がるなどのデメリットも多数存在しますので、注意をする必要があります。