ジムニーの4WD切り替えは扱いを誤り故障に繋がってしまうケースがあります。
2018年にモデルチェンジを行って4代目となったジムニーは未だに納車が1年以上先になる事も珍しくない程の人気となっています。
人気のジムニーですがかなり癖の強い車であり、特に4WD周りの仕様は使いこなすには理解が必要です。
扱いを誤って故障に繋がってしまったケースも少なくありません。
本記事ではジムニーの4WDとそれにまつわる故障などについて解説します。
ジムニー4WD切り替えの故障解説|4WDの基礎知識
4WD、4輪駆動は最近はSUVなどにも採用されているので知っている方も少なくないと思いますが、最近のSUVなどに採用されている「フルタイム4WD」とジムニーに採用されている「パートタイム4WD」は使い方などが大きく異なります。
フルタイム4WDは名前の通り、常時4WDで走行するシステムです。
それだけ聞くと非常にシンプルな気がしますが、通常舗装路などの滑らない路面で4WDを使うと、急旋回の時などに前輪と後輪の回転差により駆動系に過剰な負担がかかり突然ブレーキがかかるような現象(タイトコーナーブレーキング現象)が起こってしまいます。
これは非常に危険、かつマシンに過大な負担がかかってしまうのですが、現在のフルタイム4WDでは電子制御などによって路面に合わせて車輪の駆動を制御する事でこういった現象を起こさずに常時4WDで走行ができるようになっています。
路面に関わらず常時4WDで走行するフルタイム4WDに対してパートタイム4WDは2WDと4WDを路面に応じて手動で切り替えて走行するシステムです。
フルタイム4WDと異なり、車輪の駆動を制御する機能がありませんので路面に合わせて適切に2WDと4WDの切り替えを行わないと事故や故障に繋がる可能性があります。
ジムニー4WD切り替えの故障解説|ジムニーのパートタイム4WD
前章で解説した通り、ジムニーの4WDはパートタイム4WDであり路面に応じて2WDと4WDを切り替える必要があります。
駆動方式の切り替えはトランスファーレバー(旧型ジムニーの一部はスイッチ切り替え)で2WD、4WD-H、4WD-Lの3種類を切り替える事で行います。
駆動方式の使い分けは大まかにいえば2WDは舗装路、4WD-Hは未舗装路や大雨、積雪時などの舗装路、4WD-Lは砂地、泥濘地、急坂などで使います。
先述の通り4WDで舗装路を走るのは事故や故障に繋がるので出来る限り避けるようにしましょう。
トランスファーの切り替えは2WDと4WD-Hの切り替えは走行しながらでも行う事ができますが、4WD-Hと4WD-Lの切り替えは一旦停車して、ギアをニュートラルにした上で行う必要があります。
ジムニー4WD切り替えの故障解説|パートタイム4WDの利点
手動で切り替える必要があったり迂闊に4WDで舗装路を走ると危険があったりと扱いづらい印象のあるパートタイム4WDですが、メリットも存在します。
パートタイム4WDは電子制御を行うフルタイム4WDと比べて機構がシンプルなためコスト面や信頼性、メンテナンス性といった点で優れています。
またパートタイム4WDは何と言っても悪路走破性に優れており、フルタイム4WDよりスタックを抜け出す力が強く、路面や状況に応じて手動で駆動方式の切り替えができるためドライバーの操作次第でより高いスペックを発揮する事が可能です。
フルタイム4WDに比べて燃費が優れているという利点もあるのですが、やはりシンプルな構造であるが故の信頼性と耐久性、悪路、悪環境に対する強さこそがジムニーのパートタイム4WDの売りと言えるでしょう。
ジムニー4WD切り替えの故障解説|パートタイム4WDの故障
ジムニーの4WDに関する故障にはどの様なものがあるのでしょうか。
4WD-Lへの切り替えが堅い
車種にもよりますがトランスファーのレバーでの4WD-Lへの切り替えが堅いのは、誤操作防止のための仕様である可能性があります。
あまりに硬すぎる場合はディーラーに相談してみるべきでしょう。
4WDに切り替えられない、ランプが点滅する
トランスファーのレバーを操作しても4WDに切り替わらない、ランプが点滅するといった状況の場合、内部の部品の摩耗が原因の可能性があります。
深刻な状況になる前に早急にディーラーに修理を依頼した方が良いでしょう。
4WDに切り替えると異音がする
4WDに切り替えてある程度速度が出ると異音がする状況はタイヤのインチアップなどで車高を上げた場合に起こる事が多いです。
原因はプロペラシャフトの角度がきつくなったことで、対処法としてはトランスファーを下げる方法が一般的です。
ジムニー4WD切り替えの故障解説|まとめ
ここまでジムニーの4WDとそれにまつわる故障などについて解説してきました。
最近の4WDの車のほとんどがフルタイム4WDなのに対し、ジムニーの4WDはパートタイム4WDです。
パートタイム4WDは路面に合わせて手動で2WDと4WDを切り替える必要があり、特に舗装路を4WDで走るのは故障や事故の原因になるので可能な限り避けるようにしましょう。
ジムニーのパートタイム4WDは不便な事も多いですが、オフロードでは抜群の強さを発揮します。
他の車では決して代替の利かない特色のあるジムニーは今後も変わらず多くの人から愛用されていくでしょう。