NBOXのフロントガラス付近から出る大きな異音に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
これは街乗りなど主に低速走行をメインにしている場合には気付きづらい現象ですが、高速走行時には恐怖を感じる程の大きな異音が発生する事があるため、改善されるのであれば助かると考えている方も多いはずです。
そこで今回は、NBOXのフロントガラス付近で発生する異音について、ユーザーの実際の声や原因と現在の対策方法を中心に、NBOXに於けるフロントガラスの異音ついて解説していきます。
NBOXのフロントガラスの異音|異音についてユーザーの実際の声は?
NBOXは2011年に初代モデルの販売が開始され、現在では日本で最も販売台数の多い軽自動車となっています。
それだけに、不具合などの情報は比較的に入手し易い環境にありますが、NBOXに於いて特に耳にする不満はフロントガラス付近から発生する異音についての情報です。
ここでは実際のユーザーから出た不満の声を幾つか紹介していきます。
一般道路など50km/h程で走行している場合にはさほど気にならなかったが、速度が80km/h辺りを超えると突然フロントガラス付近から異音が発生し、驚いて高速道路を降りてしまった。
速度を上げると高周波音の様な異音が発生し、気分が悪くなって運転が続けられない。
60km/h程度でも風の強い橋や下り坂などを走行している場合には異音がする。
音楽を聴いていると変な異音が混じって耳障りなどの声が多く聞かれました。
また、異音の大きさについても多くの話されており、異音が発生すると車内で音楽を掛けていてもその音がかき消されるほど大きな異音がする事がある。
追い風や横風の場合には殆ど異音が発生しないが、風向きが正面に変わると一気に音が大きくなる。
現在は対策が行われていると聞いて購入に踏み切ったが、マイナーチェンジ車でも大きな異音が発生している。
リコール対象では無いのか。
販売担当者が同乗して驚くと言うのは、メーカー側から異音に関する通達が来ていない証拠で品質に疑問を持つなど、異音と共にディーラーの対応にも不満を募らせているようです。
NBOXのフロントガラスの異音|異音の発生は個体差がある
初代NBOXは風が原因となりフロントガラスから異音が発生しますが、実はこの問題は全ての初期モデルで発生する異音では無い事が分かっています。
事例として最も報告台数が多いのは2011年から2014年まで製造された車両ですが、製造ロッドの時期によっては使用されている部品や構造が同じ物なのにも関わらず、異音が発生する車両と全く問題がない車両が存在するのです。
そのため、車両や部品の設計以外にフロントガラスの立て付けや溶接スポットの誤差で車両の捻れに関係した問題が有るとも指摘されており、生産ロッドによって個体差が激しいという事が問題視されており、実際に乗車してみるまでは異音が発生するか分からないと言った難しさも併せ持った問題です。
また、この問題は全ての車両で発生する事では無い事から、各ディーラーの対応にバラツキがある事も問題として指摘されています。
NBOXのフロントガラスの異音|異音が発生する原因は?
初期モデルであるNBOXは、フロントガラス付近から大きな異音が発生しますが、ここでは何故大きな異音が発生するのか、原因を説明していきます。
NBOXのフロントガラス上部とルーフ部分の間には約5mm程度の隙間がありますが、この部分に風が流れるとすきま風のように瞬間的な風速が上がり、異音が発生するようです。
また、ほぼ垂直に近いフロントガラスが真っ向から向かい風を受ける設計になっている事も様々な風の影響を受けやすい要因となっています。
さらに、ルーフ部分には運転席側の頭上と助手席側頭上にルーフキャリアを設置するための幅40mm程のプラスチック製モールが配置されていますが、フロントガラス上部とルーフ部分の間から一気にこのモールへ向かって風が流れていくために、フロントガラスで異音が増幅され大きな音が発生する様です。
異音が増幅されてしまう具体的な原因は明らかにされていませんが、風で発生する異音がフロントガラスやルーフ部分の鉄板と共鳴してしまうことが要因ではないかと言われており、異音が発生している近辺に顔がある事やNBOXは全高が高く車内で異音が共鳴してしまう事も理由として挙げられます。
NBOXのフロントガラスの異音|異音の発生はディーラーも把握している
NBOXは高速走行や強風時に走行を行うと大きな異音が発生する問題を抱えていますが、この事象はNBOXを販売する大半のディーラーでも把握をしている問題のようです。
メーカーとしては自動車が走らない・止まらない・曲がらない・発火の恐れがあるなど、重大な事故や命の危険に繋がる事では無いと言う理由からリコールの届け出は行われていませんが、全国規模でクレームが発生したことや多数の撮影動画が投稿されていること、整備士や販売員が実際に異音を確認した案件が多数あったことから、2015年のマイナーチェンジを機にフロントガラスモールが異音対策部品へと変更されています。
また、問題が発覚した直後にはフロントガラスの交換や、フロントガラスを外し付け直すなどの処置が行われていましたが、現在ではフロントガラス上部とルーフ部分の間にある隙間をコーキング剤などで埋め、風による異音の発生を抑える処置が行われています。
こちらの処置はリコールなどと異なり各ディーラーが独自に行う対策キャンペーンであるため、ユーザー自らが対策処置を申請しなければ処置を受ける事はできません。
また、一部のディーラーでは異音について把握をしていない販売員も在籍しているため、実例を挙げて粘り強く対策処置を求める事も必要となる場合があります。
NBOXのフロントガラスの異音|現行モデルは対策が行われている?
2011年に販売が開始されたNBOXですが、初代モデルで2015年にマイナーチェンジを行う前までの初期モデルについては、風による大きな異音が発生してしまう問題を抱えていますが、それ以降に製造されたマイナーチェンジ後のモデルについては異音が発生しづらい構造の対策部品に変更されているため、初期モデルよりも問題の発生は抑えられています。
また、フロントガラスの建て付けも作業工程を変更したためか、2015年のマイナーチェンジ以降は問題の報告が殆ど挙がっていない事から異音による問題はほぼ解消されているようです。
2017年に販売が開始された2代目新型NBOXは初代モデルからキープコンセプトでフルモデルチェンジが行われましたが、こちらの車両については先代モデルの様なフロントガラス上部とルーフ部分の間にある隙間を極力抑えた設計となっており、先代モデルの様に風による大きな異音が発生する問題は発生していません。
NBOXのフロントガラスの異音|まとめ
今回は、NBOXのフロントガラス付近で発生する異音について、ユーザーの実際の声や原因と対策方法を中心に、NBOXに於けるフロントガラスの異音ついて解説してきましたが、風が原因で起こる異音への不満は多くのユーザーが実際に感じており、ディーラーでも把握している問題の様です。
この問題は製造ロッドによる個体差が大きく、初代NBOXの中でも特に初期モデルで多く発生する問題ですが、全ての車両で同様の異音が発生する訳では無いため、実際に乗車を行い異音の確認を行わなければならない難しい問題でもあります。
現在では対策品への交換やコーキング処置を行い、隙間を埋めるなどの対策が行われているため、異音が発生している場合にはディーラーへ相談し対策処置を行うと良いでしょう。