NBOXのパワーウインドウのリセットについて解説します。
現在NBOXに乗っている方の中には、パワーウインドウが誤作動を起こしてしまった或いはパワーウインドウが上手く機能しないため、リセット方法を探しているという方も居るのではないでしょうか。
昨今では、自動で窓ガラスを上げ下げするだけではなく万が一の場合に備えて安全装置が備わっているなどパワーウインドウの分野に於いても機能が複雑化されている為、予期せぬトラブルに遭遇する確率も高くなっています。
NBOXのパワーウインドウのリセット|挟み込み防止機能の検知によって発生するもの
まずは、パワーウインドウが正常に動作しなくなってしまう原因について複数の事例と挙げて解説していきます。
1つ目の原因は、挟み込みを検知したことによって挟み込み防止機能が作動している場合です。
昨今では商用車や各自動車のベースグレードを除く多くの車種で、窓ガラスを自動で開閉するパワーウインドウ機能を搭載した自動車が販売されていますが、パワーウインドウの普及と共に小さなお子さんが手や指、首などを挟み込んでしまう事故が増え現在では一部を除いた殆どの自動車に挟み込みを防止する安全機能が備わっています。
この機能は、パワーウインドウが閉まる際に一定以上の負荷が掛かると自動的に閉める動作を止め窓が5cm~10cm程下がる、或いは全開になると言うものですが、寒冷地などで窓ガラスが氷結している場合や窓が閉まる際に故意に負荷を掛ける事でも挟み込み防止機能が作動する場合があります。
また、挟み込み検知した場合には窓ガラスが全て閉まらないように指令が出続けてしまい、窓が完全に閉まらない或いは全開のままと言った状況になってしまうため、パワーウインドウの設定をリセットする必要があります。
NBOXのパワーウインドウのリセット|コンピューターやメモリーの初期化に伴うもの
2つ目の原因は、自動車の様々な設定を記憶するコンピューターやメモリーが何らかの原因で初期化されてしまい、パワーウインドウの全開位置や全閉位置の情報が無く窓ガラスが閉められないなどの不具合が出ている場合です。
NBOXなどの自動車にはエンジンの始動やエアコンを動作させるのに欠かせないバッテリーが搭載されていますが、バッテリーが上がってしまったり何らかの作業を行う上でエアバッグなどが誤作動しないようになどバッテリーを外してしまうと、パワーウインドウの設定を記憶しているメモリーなどへの電源供給が行われず、時計やパワーウインドウの設定が初期化されてしまいます。
これらの行為によって、全開位置や全閉位置の情報もすべて初期化されてしまうため通常動作ができなくなってしまうのです。
この場合、パワーウインドウの全開位置と全閉位置を再度学習させ設定を記憶させることで、元通りパワーウインドウを使用する事が可能です。
NBOXのパワーウインドウのリセット|電気系統のトラブルなどが原因のもの
3つ目の原因は、バッテリー以外の電気系統にトラブルが発生している場合です。
通常はパワーウインドウスイッチからの指令がコンピューターなどを経由して、窓を開閉するモーターへと伝えられますが、そこに行くまでの電気配線や過電流などを防ぐヒューズ等に不具合が起こっていると、挟み込み防止機能が勝手に動作してしまったりコンピューターが頻繁に初期化されてしまうなどの不具合が発生する場合があります。
また、スイッチ自体に不具合が起きパワーウインドウの動作に支障が起きる可能性もありますが、頻度としてはそれほど多いものではありません。
この場合は、NBOXの製造元であるホンダの各ディーラーでコンピューターの診断機に掛けなければ不具合を特定することは難しいため、早めに販売店へ持ち込む必要があります。
NBOXのパワーウインドウのリセット|パワーウインドウのリセット方法
パワーウインドウは一定以上の負荷が掛かってしまうと、挟み込み防止機能などが動作し窓が開かなくなってしまったり逆に閉まらなくなってしまうなどの不具合が発生しますが、NBOXやホンダが製造を行う殆どの車種で以下の動作を行う事でパワーウインドウと挟み込み防止機能をリセットする事が可能です。
まずは、エンジンスタート・ストップボタンを1度押してACC(アクセサリーモード)の状態にします。
次にパワーウインドウスイッチを一番下まで押し込みエンジンスタート・ストップボタンをもう1度押してONモードにします。
その後パワーウインドウスイッチを離し、エンジンスタート・ストップボタンを1度押し再びACCモードに戻します。
この際シフトレンジがPに入っているとOFFモードなってしまい全ての電源が落ちてしまいますので、Nレンジなどに入れてOFFモードにならない様にして下さい。
再びACCモードになったら、上記と同じ作業を3回繰り返し計4回この作業を行うとパワーウインドウと挟み込み防止機能のリセットは完了です。
また、バッテリーを外す事によってもパワーウインドウの設定を強制的にリセットさせることは可能ですが、他に保存されている設定も同時に初期化されてしまうため、おすすめはできません。
NBOXの場合、先代モデルなどエンジンスタート・ストップボタンが無く従来通りの物理キーの場合でも、基本的にこの方法でパワーウインドウのリセットを行う事が可能ですが、年式やグレードによっては方法が異なる場合もあるため、上記で解決しない場合には販売店へ相談すると良いでしょう。
NBOXのパワーウインドウのリセット|パワーウインドウの再設定方法
パワーウインドウのリセットを行うと挟み込み防止機能などの使用制限は解除されますが、窓ガラスの全開位置や全閉位置の情報もリセットされてしまうため、パワーウインドウのオートモードを使用するために、以下の再設定を行います。
まずは、運転席側に設置されているパワーウインドウスイッチを使って窓ガラスを1/4~1/2程度開いている状態にします。
次にパワーウインドウスイッチを一番上まで引き上げ窓ガラスを閉めた状態にします。
この際、窓ガラスが閉まりきってもスイッチを離さず5秒ほど引き上げた状態を保って下さい。
最後にパワーウインドウスイッチを一番下まで押した後、すぐに離して自動的に窓ガラスが全開すれば再設定は完了です。
NBOXの場合、グレードや年式によっては運転席の他にも窓ガラスの自動開閉機能が付いている場合がありますので、運転席以外にこの機能が付いている場合には個別に再設定する必要があります。
NBOXのパワーウインドウのリセット|まとめ
今回は、パワーウインドウのトラブルについて不具合が発生する原因やその後の再設定方法などを中心に、NBOXに於けるパワーウインドウのリセットについて解説してきましたが、窓ガラスの凍結や部品特有の誤検知によって挟み込み防止機能が誤動作を起こすことは珍しく無いようです。
これは事故を未然に防ぐという意味では大切な機能となっているため取り外す事はできませんが、基本的にはパワーウインドウのリセットと再設定を行う事で元通りに戻すことができるため大きな問題ではありません。
しかし、頻繁に誤作動を起こす場合やパワーウインドウの設定が初期化されてしまう場合には、電気系統やその他の部品に不具合が発生している可能性がありますので、早めに販売店などへ相談する事をおすすめします。