NBOXで雨漏りでのリコールについて、現在NBOXに乗っている方の中には雨漏りに悩まされている方も多いのでは無いでしょうか。
この現象はNBOXを所有する多くのユーザーの間で話題となり、サービスキャンペーン・リコールと言った大問題にまで発展し、車両その物の設計不良や欠陥が疑われる事態にまでなりました。
そこで今回は、NBOX雨漏りについてその原因や対象となる車両、現在の改善状況などを中心にNBOXに於ける雨漏りとサービスキャンペーン・リコールについて解説していきます。
NBOXで雨漏りでのリコール|どのモデルで発生するの?
NBOXに於ける雨漏りの問題は、よく耳にしますが実際にはどのモデルで発生する問題なのでしょうか。
問題となったモデルは2011年に販売が開始された初代NBOXとNBOXカスタムとなっており、型式はDBA-JF1またはDBA-JF2と言う車種が雨漏りを起こす可能性の高い車両です。
その中でも初期型に当たる平成23年(2011年)12月~平成24年(2012年)6月までに製造された車両について雨漏りによる不具合の報告が集中しており、この期間の前後に製造された車両に関しても複数の雨漏りによる不具合が確認されています。
しかし、それ以降に製造された車両や2017年にフルモデルチェンジを行った2代目新型NBOXについては設計変更などが行われたため、雨漏りに対しての不具合は発生しておらず初代NBOX初期型に於ける固有の初期不良であると言えます。
NBOXで雨漏りでのリコール|雨漏りの場所は?
初代NBOXの初期型で発生する雨漏りの不具合ですが、具体的にはどの場所でどの様な雨漏りが発生するのでしょうか。
実際の事例として最も多い場所は両側のスライドドア周辺から雨漏りが発生する事が多く、同様に両側フロントドアからの雨漏りも多く発生しています。
また、リヤゲート付近からの雨漏りも複数報告されているため、全てのドア周辺から雨漏りが発生する可能性があります。
症状としては、車内に水がジャバジャバと浸入していくような漏れ方ではなく、コーヒーをドリップしている様なポタポタと垂れる様な漏れ方となっており、ドア付近からの場合にはドアトリム(内張り)が濡れスイッチ類が損傷する場合やドアポケット内に水が溜まってしまうなどの症状が発生し、酷い場合にはフロアマットなどにも影響が出てしまいます。
また、リヤゲート付近からの場合には、車体のフレームを隠すプラスチック製のカバー部分やトランクボードが濡れてしまうなどの症状が発生します。
NBOXで雨漏りでのリコール|原因は?
初代NBOXの初期型は雨漏りが発生してしまう問題を抱えていますが、なぜ雨漏りが発生するのか疑問に思う方も多いと思います。
自動車は車外から風や雨などが入ってこない様、ゴム製の軟らかいチューブの部品を使ってドアと車体を密着させ密封化していますが、この部品が無いと隙間ができてしまい風や雨が車内へ入ってきてしまう構造となっています。
NBOXの場合には、このウェザーストリップと呼ばれるゴム製の軟らかいチューブの形状が適切では無く、密着した部分が不適切に変形し隙間ができてしまうため雨漏りが発生するのです。
問題が明るみに出た際には、何度ウェザーストリップを交換しても雨漏りの症状が改善されなかったため、車体の組み込みや車体の構造自体に問題が発生しているのではないかと購入者から指摘をされましたが、ウェザーストリップ自体に問題があることをメーカーが把握できていなかったことが原因だった様です。
NBOXで雨漏りでのリコール|サービスキャンペーン・リコールが行われた車両の見分け方
初代NBOXの初期型はウェザーストリップの形状が原因となり雨漏りを起こしますが、この問題は販売開始から間もなくして多数のクレームが挙がり、その後メーカーが不具合を認めたため2012年8月31日から無償で対策部品へ交換を行う処置がとられています。
実質的には走らない・止まらない・曲がらないと言った事故に直接つながる可能性や命に危険が及ぶ不具合では無いため、メーカーが自主的に不具合を改善する「サービスキャンペーン」という形で部品交換が行われます。
対策品は雨漏りが発生する物と比べて、形状が特殊なレの字状の構造になっており標準的なウェザーストリップのようなチューブ型にはなっていないため、部品を確認する事で見分けることが可能な他、このサービスキャンペーン・リコールは雨漏りの他に車両挙動安定化制御システムの書き換えやフロントバルクヘッドと呼ばれる部品の交換も同時に行われ、対策を行った識別として黄色のマーキングが対策箇所のボルトへ塗布されますので、これらを確認する事でも判別することが可能です。
NBOXで雨漏りでのリコール|現在の改善状況は?
初代NBOXの初期型は2012年の8月からサービスキャンペーン・リコールとして、正式に雨漏りに対しての対策処置を発表したため、この期間以降に製造された車両については雨漏りに対しての対策が講じられており、2013年12月に行われたマイナーチェンジでは対策部品への部品変更が行われています。
そのため、2013年以降に製造されたNBOXに関しては、対策品が装備されているためウェザーストリップを原因とする雨漏りはほぼ改善されています。
また、2017年にフルモデルチェンジを行った2代目新型NBOXに関しても、部品の設計や形状が新しくなっているウェザーストリップを使用しているため雨漏りの不具合が発生する心配はありません。
しかし、新古車や中古車などで初代NBOXの初期型を購入した場合には、対策部品に交換されているか不明な場合もあるため、ウェザーストリップの形状やボルトへのマーキングを確認する必要があります。
もしも確認が行えない場合には、最寄りのディーラーで相談を行い対策部品への交換を行うと良いでしょう。
また、サービスキャンペーン・リコールの発表前に暫定対策部品としてウェザーストリップを交換している場合には、正式な対策品では無い場合もありますのでこちらもディーラーで確認する事をおすすめします。
NBOXで雨漏りでのリコール|まとめ
今回は、NBOX雨漏りについてその原因や対象となる車両、現在の改善状況などを中心にNBOXに於ける雨漏りとサービスキャンペーン・リコールについて解説してきましたが、原因はウェザーストリップと呼ばれる防水の役割を担う部品の形状が不適切で密封性を保てないことが、雨漏りを引き起こす要因となっています。
これは、初代NBOXの初期型に多く発生する不具合で、その後正式に改良された対策品へ交換することで不具合を改善することができ、マイナーチェンジ以降のモデルやフルモデルチェンジを行った2代目新型NBOXでは不具合が解消されています。
しかし、中古車などでNBOXを購入する場合には対策が行われていない車両もあるため、ウェザーストリップの形状やボルトに塗布されたマーキングなどを参考にして必要な場合にはディーラーへ対策を要求すると良いでしょう。