スペーシアの冷房が効かないと困っている方も多いのではないでしょうか。
自動車の冷房機能は一般的な家電製品と異なる構造となるため、しっかりと設定を行わなければ冷房を効かすことができない事から、正しい知識を身につけておく必要があります。
そこで今回は、スペーシアの冷房が効かない原因や冷房を効かすための対処法などを中心に、スペーシアと冷房の効かせ方について解説をしていきます。
目次
スペーシア 冷房 効かない:最も多い原因はアイドリングストップのせい?
昨今の車には、停車中の排気ガス削減を目的としてアイドリングストップ機能を搭載した車種が増えていますが、実はこの機能は冷房の効きに大きく関係している機能でもあります。
アイドリングストップ機能は、停車や減速時にエンジンやオルタネータの動作を停止させ、排気ガスの排出を抑える役割を担っていますが、同時に発電を行うことができなくなってしまうデメリットを併せ持った機能です。
自動車の冷房は、家電製品のエアコンと同じく外気や内気の暖まった空気を、電気を使用し冷やして送風していますが、電力消費が多くアイドリングストップによってオルタネータが停止している事から、電力消費を抑えるために冷房の利きを弱めているのです。
この場合の対処法ですが、アイドリングストップ機能を停止することで再び冷房を効かすことが可能となります。
スペーシアの場合には、ステアリングの右下部分にあるスイッチパネル内にアイドリングストップスイッチが配置されていますので、このボタンを押しメーターパネル内にローマ字のAを矢印で囲ったマークが点灯すれば、機能の停止は完了です。
スペーシア 冷房 効かない:A/C機能がOFFとなっていると冷房は効かなくなる
自動車の冷房を設定する際には、AUTOというスイッチを押して温度を設定している方も多いと思いますが、実はこれだけでは冷房を効かすことはできません。
前述した通り、自動車の冷房は外気や内気の暖まった空気を、電気を使用し冷やして送風していますが、AUTOモードでは冷房状態になっておらず送風のみの力で温度を下げようとしている状態となっているため冷房が効かないのです。
この場合の対処法としては、エアコンスイッチ内にA/C(エア/コンディショナー)というボタンがありますのでこのボタンを押し、エアコンを作動させることで冷房を効かすことが可能となります。
A/C機能の動作確認は、エアコン設定パネル内に表示される仕組みとなっており、このパネル内にA/Cと表示されていれば動作を行っていると言う事になりますので、冷房の効きが悪いと感じた場合には確認を行うと良いでしょう。
スペーシア 冷房 効かない:エアコンフィルターが詰まると冷却効果が落ちる
自動車のエアコンは、フロントグリルから取り入れた外気またはダッシュボード付近から取り入れた内気を、エンジンルーム内で冷やして送風を行っています。
この際、空気中に含まれる有害物質や異物などを取り除くためにエアコンフィルターと呼ばれる濾過装置に空気を通過させ清浄を行っていますが、この部分に汚れが付着している場合や詰まりが生じていると、取り込む空気の量が減り冷房が効きづらくなる場合があるのです。
この場合の対処法ですが、埃などが付着し空気の清浄を妨げている場合にはフィルター部分の清掃を行うことで、再び冷房の利きが良くなる場合があります。
ただし、経年劣化などで細かい埃などが堆積している場合には、清掃を行っても目詰まりを解消させることができないため、フィルター自体を新しい物に交換する必要があります。
スペーシアの場合、エアコンフィルターは助手席側グローブボックスの奥に配置されており、比較的簡単に取り出すことが可能ですので定期的に清掃することをおすすめします。
スペーシア 冷房 効かない:内気循環のままだと冷房が効くまでに時間がかかる
自動車の冷房は、フロントグリルから取り入れた空気を室内に送り再び外部へ放出する外気循環と、ダッシュボード付近から取り入れた空気を室内で循環させる内気循環の2種類から選択を行うことができます。
実は、エンジン始動直後にエアコンの設定が内気循環に設定されていると、室内の熱い空気を循環させて空気を冷やさなくてはならないため、冷房が効くまでに時間がかかってしまうのです。
この場合の対処法ですが、エンジン始動直後は外気循環に設定して室内の熱い空気を外部に放出させる方法や、1度全てのドアを開けて空気の入れ換えを行うことで、冷房の効きを早める事が可能となります。
ただし、冷房が効き始めてからも外気循環に設定を行っていると、今度は外気の熱い空気を冷やすために余分な電力を消費しなければならず燃費の悪化に繋がりますので、冷えた空気が送風されてきた場合には内気循環に切り替えると燃料消費を抑えて冷房を効かす事が可能です。
スペーシア 冷房 効かない:設計上の問題も関係している
スペーシアで冷房が効かない、または効きづらいと感じる理由はアイドリングストップ機能の搭載やエアコンの設定以外に、車両の設計上の問題も大きく関係をしています。
実は、スペーシアをはじめとした全高の高いハイト系ワゴン車は室内空間が広く、フロントガラスやサイドガラスなどの面積が大きい事から、熱い空気が滞留しやすい設計となっており、ボディー全体が熱せられると短時間で室内を冷やすことが難しい構造となっているのです。
また、スペーシアはグレードによってブラックの内装色が設定されていますが、ガラスの面積が大きい事に加えてタッシュボート部分やシートなど、太陽の熱を吸収しやすい内装色となっている事も冷房が効きづらくなる理由の1つとして挙げられます。
この場合、根本的な車の設計を変更する事はできないため対応策は限られてしまいますが、主な対処法としては
- 日光が進入しやすいガラス部分にはサンシェードなどを用いて熱を遮断する
- シートカバーやダッシュボードマットなどを利用して内装色を明るめの物に変更し、熱の吸収を抑える
- 車検適合範囲内でガラス部分に断熱フィルムを施工する
などの工夫を行い、滞留する熱を減らすことによって冷房の効きを高める事が可能となります。
スペーシア 冷房 効かない:まとめ
今回は、スペーシアの冷房が効かない原因や冷房を効かすための対処法などを中心に、スペーシアと冷房の効かせ方について解説してきましたが、アイドリングストップ機能の搭載やエアコンの設定など、様々な事が原因となり冷房が効かなくなる事が分かったと思います。
いずれの場合でも、設定の変更やエアコンフィルターのメンテナンスなどで対処できる事が多く特別な知識や技術は必要ありませんが、スペーシアの場合には車の設計上の問題で冷房が効きづらくなるケースもありますので、前述した対処法を参考にして冷房が効きやすくなる環境を作り上げていくと良いでしょう。