オデッセイの四代目は2008年10月にフルモデルチェンジにより発売されました。
およそ5年の販売期間を経て、2013年11月に五代目へとバトンタッチしました。
今回は、中古車でも根強い人気があるホンダ・オデッセイの四代目の特徴を紹介します。
オデッセイ四代目の軌跡
1994年、ホンダのこれまでにない新しいミニバンとして、初代オデッセイが発表されました。
この初代オデッセイは、ミニバンというよりも普通の乗用車のようなデザインが人気となり、現在までホンダの主要な車種となる礎を築く大ヒットとなりました。
1999年によりスポーティな走りを追求した二代目オデッセイが発売された後、2003年には三代目オデッセイへのフルモデルチェンジが発表されました。
この三代目ではデザインを一新し、低床・低重心・低車高の斬新なモデルへと変更されました。
2008年から発売された四代目は、三代目のコンセプトを受け継ぎつつ進化したものなのです。
オデッセイ四代目のエクステリア
オデッセイは初代から、ワンボックスタイプのようなゆったりとした広さと、セダンのような走行性能を両立させたかたちがベースとなっています。
この基本理念をもとにしながら迎えた三代目では、新開発の低床のプラットフォームが採用されました。
これにより、大都市圏に多い立体駐車場でも利用可能な低車高のミニバンが実現されたのです。
三代目のもつミニバンらしからぬ流線的なデザインは次世代モデルの四代目でも踏襲されていき、それに加えてフロント部分についてはよりシャープで独創的なスタイルへと変更されています。
ミニバンの枠を飛び出した新しい乗用車のかたちだといえるでしょう。
オデッセイ四代目のインテリア
四代目オデッセイは定員7人で、3列シートとなっています。
室内の前後は先代よりも60mm広くなりました。
とくに、それまで窮屈さのあった3列目の膝まわりなどの居住性にはかなり配慮されたつくりになっており、先代と比較して格段に快適になっています。
3列目がトランクルームに収納できる点は先代と同じです。
また、四代目で新規搭載されたマルチビューカメラシステムは非常に実用的なオプションとなっています。
車体の前後左右に設置されたカメラの映像を合成し、さまざまな角度から映像を表示することで、車体周囲の死角を減らし、狭い路地の走行や駐車をサポートしてくれます。
オデッセイ四代目のエンジンと燃費
エンジンは2.4リッター直4エンジンのK24A型が搭載されています。
レギュラーガソリンの標準用は173馬力、プレミアムガソリンのアブソルート用は206馬力となっています。
エンジンは三代目と同じながら、加速感は先代からよりパワーアップしています。
これに加えて、四代目では低燃費も重視されています。
エンジンやCVT、エアコンの動作までを制御・節約する「ECONモード」を備えるなど、燃費も向上しています。
ECONモードでも乗り心地にはほとんど違和感なく十分な運動性能を持っており、ミニバンを感じさせないスポーティな走りが低燃費で実現されています。
オデッセイ四代目の走行性
四代目オデッセイの走行性で最も注目される点は、新技術として採用された「モーションアダプティブEPS」です。
これは、横滑りを防止するVSA(車両挙動安定化制御システム)とEPS(電動パワーステアリング)を組み合わせたもので、安定的なハンドル操作をアシストすることができます。
モーションアダプティブEPSは全車に標準装備されており、前記のマルチビューカメラシステムとともに、運転支援・安全面でも大きく向上したということができます。
運転席からの眺めは先代までのような左右の見にくさが軽減され、低速走行中の足まわりの性能も非常に快適になっています。
オデッセイ四代目の魅力
走行性を重視した高性能なミニバンとして登場したオデッセイは、低床・低重心・低車高というスタイリッシュなデザインを維持しつつ、より快適な室内空間、よりパワフルで低燃費のエンジン、新技術を採り入れた安全性と走行性などを加え、四代目にして新しい乗用車の姿を見せてくれました。
五代目には従来のヒンジドアからスライドドアへの変更など、大きく仕様が変わったことから、四代目オデッセイの中古車の人気が高まってきています。