NBOXでエンジンがかからなくなった場合に、考えられる代表的な原因やもしもの時の解決法を中心にNBOXのエンジン始動トラブルについて解説していきます。
現在NBOXに乗っている方の中には、エンジンが急にかからなくなってしまい困っていると言う方も多いのではないでしょうか。
エンジンがかからないと言う現象は様々な原因が考えられますが、単純な事から少々ややこしい事まで範囲が広いため一つ一つ原因を解明していく必要があります。
NBOXのエンジンがかからない場合|バッテリーのトラブル
NBOXに限らず、エンジンがかからないトラブルの実に半数以上はバッテリーに何らかの不具合が発生しています。
NBOXに搭載されているバッテリーの役割は、エアコンやヘッドライトなどの電気装置に電気を供給する事ですが、エンジンを始動する際に必要なセルと言う機器を作動させる役割も担っています。
しかし、バッテリーが上がってしまうとこのセルと言う機器が回らずエンジンを始動する事ができなくなってしまいます。
また、バッテリーの劣化や不具合により電圧が低下している場合には、セルを作動させる力が弱まりエンジンがかからないなどの不具合が発生してしまうのです。
この場合の解決方法ですが、バッテリーを新しい物に交換する事や充電を行う事によって再びエンジンがかかる様になりますが、一時的な応急処置として他の車のバッテリーから電源を直接借りる事によってもエンジンを始動させる事が可能です。
しかし、エンジン始動後に再びエンジンを停止してしまうと、バッテリーのパワーが足りずエンジンがかからなくなってしまうため、エンジンを停止することなく交換場所まで辿り着く必要がありますので注意が必要です。
NBOXのエンジンがかからない場合|シフト位置の問題
NBOXは全てのモデルでミッションがオートマチック(以下AT)となっていますが、シフトの位置が原因でエンジンがかからなくなってしまう事があります。
AT車は、その特徴としてPレンジ・Nレンジ以外の全てのシフトで常にクラッチが自動で繋がり車が動くと言う特性を持っており、DレンジやRレンジでアクセルを踏まなくても自動的に車が動くと言うクリープ現象がこれに当たります。
そのため、Pレンジ以外のシフトが選択されている場合には、事故防止という観点からエンジンの停止は行えても始動が行えないと言う構造になっているのです。
この場合の解決法は、ブレーキを踏みながらシフト位置をPレンジに戻しアクセサリーモード(ACC)などを一旦解除した後に、再びブレーキを踏みながらエンジンキーやプッシュスタートボタンを使用すると、エンジンを始動する事が可能です。
この手順を踏んでも、エンジンがかからない場合には電気系統でなどでトラブルが発生している場合がありますので、整備工場やディーラーなどに相談すると良いでしょう。
NBOXのエンジンがかからない場合|スマートキーが原因となる場合もある
昨今の自動車は、スマートキーと呼ばれるリモコンキーでドアの施錠・解錠やエンジンの始動・停止を行うものが増えていますが、NBOXの場合にはこのスマートキーが原因となりエンジンがかからないと言うトラブルを引き起こす可能性があります。
スマートキーの原理は、リモコンキーの中にある内蔵キーの信号を車体に設置されたセンサーへ飛ばし、通信を行う事で物理的なキー操作を必要とすることなくドアの施錠・解錠やエンジンの始動・停止を行っていますが、スマートキーの電池が切れてしまっている場合や劣化している場合には、スマートキーを認識する事ができずエンジンがかからなくなってしまいます。
この場合、内蔵キーの信号を飛ばすスマートキーの電池を交換する事で再びエンジンを始動させる事ができますが、電池の型番が分からない場合や交換方法が分からないと言う場合には、応急処置としてスマートキーから内蔵キーを取り出しプッシュスタートボタンに密着させる事によってもエンジンを始動させる事が可能です。
NBOXのエンジンがかからない場合|スパークプラグの不具合が原因となる場合もある
NBOXに於いてエンジンがかからない原因は、バッテリー上がりやスマートキーの電池切れなどが代表的ですが、これら以外にもエンジンがかからない要因が存在します。
特にNBOXで多いのは、スパークプラグの不具合です。
スパークプラグはガソリンを効率良く爆発させ、エンジンへパワーを供給する役割を担っていますが、点火と噴霧されるガソリンのタイミングが合わない場合や、何らかの原因で点火が弱まるとスパークプラグが湿ってしまいエンジンがかからなくなる場合があり、一般的には「プラグかぶり」という呼ばれる現象が発生します。
また、不完全燃焼が発生しスパークプラグが煤などで汚れてしまっている場合や劣化により火花を散らす部分の力が落ちる事でも、エンジンがかからなくなる場合があります。
プラグかぶりの場合には、半日~1日適度放置する事でプラグが乾燥するため元通りエンジンを始動させる事が可能ですが、再発を繰り返す場合には燃料噴射調整システムなどに不具合が出ている可能性もあるため、ディーラーなどでコンピューターを使用した調整や燃料噴射調整システムを交換する必要があります。
また、プラグの汚れが原因の場合には点火部分を清掃する事で再びエンジン始動を行う事が可能ですので、法定点検などでプラグの状況を確認してもらう事をおすすめします。
NBOXのエンジンがかからない場合|ヒューズが切れている場合もある
バッテリーやスマートキーなどが特に問題なく、プラグかぶりも発生していないのにも関わらずエンジンがかからないと言う場合には、電気系統やヒューズにトラブルが発生している可能性があります。
ヒューズは電気系統で発生する不具合を検知し過電流などが発生した際に電流を遮断する役割を持っていますが、何らかの原因でスターター部分のヒューズが切れてしまうと、セルを回す事ができずエンジンがかからなくなってしまいます。
NBOXの場合、スターター部分を管理するヒューズはエンジンルーム内のヒューズボックスに収められていますので、ヒューズが切れている場合には新しい物に交換する事で再びエンジンがかかる様になります。
しかし、ヒューズの交換後も不具合を繰り返す場合には他の電気系統で不具合が発生している場合がありますので、ディーラーや整備工場などで早めに点検してもらう事をおすすめします。
NBOXのエンジンがかからない場合|まとめ
今回は、NBOXでエンジンがかからなくなった場合に、考えられる代表的な原因やもしもの時の解決法を中心にNBOXのエンジン始動トラブルについて解説してきましたが、様々な事が原因となりエンジンがかからなくなってしまう事が分かります。
バッテリー上がりは最も多い基本的なエンジンがかからない原因ですが、スマートキーの電池切れなどは原因として見落とす事が多く、解決法や応急処置法もあまり認知されていないようです。
これらは、基本的に自分で部品を交換する事で不具合を解消する事が可能ですが、プラグやヒューズなどが原因となり、不具合が頻発する場合には他の箇所に大きなトラブルが発生している可能性もありますので、早めに点検を受ける事をおすすめします。