ジムニーの天井の張替えの価格はどのくらいかかるのでしょうか。
現在ジムニーJA22型モデルに乗っている方の中には、天井を張り替えたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
実はJA22型ジムニーは、構造上の問題から経年劣化によって天井のライナーと呼ばれる内張部分が剥がれ落ちてしまうと言う問題を抱えているため、張り替えや改善方法を探している方は少なくないはずです。
そこで今回は、JA22型ジムニーの天井はなぜ剥がれてしまうのかや剥がれてしまった場合の修復方法などを中心に、JA22型ジムニーと天井の張り替えについて解説をしていきます。
ジムニー 天井張替えの価格:なぜJA22型ジムニーの天井は剥がれたり垂れ下がるのか
車内の天井が剥がれてくる、あるいは垂れて下がってくるという問題はほとんどの方が経験をしたことの無い事象だと思いますが、JA22型ジムニーの場合には新車の製造から10年以内にほぼ確実に起こると言われています。
そもそも、なぜルーフライナーと呼ばれる天井内張部分が剥がれたり垂れ下がってくるのか疑問に思う方も多いはずです。
実は、JA22型ジムニーの天井内張部分は昨今の自動車のようにクリップなどを使用して車体に固定する方式では無く、天井の内張に接着剤を塗り直接天井部分の鉄板へ貼り付け金属製のバーで押さえつけると言う方式を採用しています。
そのため、熱や経年劣化によって内張を貼り付けている接着剤の粘着性が低下し徐々に剥がれ落ち最終的には垂れ下がってきてしまうのです。
1度粘着性が弱まった天井内張は、再度貼り付けても短期間で再び剥がれ落ちてしまうケースが多く、運転中に天井が垂れ下がり前方の確認が行えないなど運転に支障をきたす恐れがあるため、早急に対処しなければならずユーザーの悩みの種となっています。
ジムニー 天井張替えの価格:天井の剥がれや垂れ下がりは防止できる?
JA22型ジムニーの天井は、熱害や経年劣化によって接着剤の粘着性が低下し剥がれや垂れ下がりを起こしてしまうと言う問題を抱えていますが、これらの事象はアイデアや工夫次第で防止することはできないのでしょうか。
結論から先に言ってしまうと、JA22型の販売が開始されてから約15年ほどが経過していますが、現在のところ効果的な予防・防止策は確立されていないのが現状です。
メーカーとしても自体を把握している様ですが、自動車が走らない・止まらない・曲がらないなど重大な事故に繋がる不具合では無いことや、製造から10年以上が経過し部品の保守期間を過ぎていると言う理由から、リコールやディーラーで行う自主改善(サービスキャンペーン)の対象にもなっておらず、剥がれや垂れ下がりが発生した場合にはユーザー自身が対処しなければなりません。
では、これらの問題が発生した場合にはどの様に対処すれば良いのでしょうか。
次からの項目では、JA22型ジムニーの天井を張り替え場合に必要となる道具や具体的な張り替え方などを解説していきます。
ジムニー 天井張替えの価格:天井の張り替えに必要な道具
JA22型ジムニーの天井は接着剤などの劣化が原因となり、剥がれや垂れ下がりを引き起こしてしまいますが、実は多少手間の掛かる作業が必要なもののDIYでも張り替えることが可能となっており、ここでは張り替えに必要な道具について説明をしていきます。
用意する道具
- プラスドライバー
- ハンマー(必要に応じて)
- シリコンリムーバーまたは無水エタノール
- デッドニングなどで使用する粘着剤の圧着を高めるためのローラー
- スプレー糊
- ハサミやカッター
- スクレーパー(幅10cm程の床部分に付着したガムなどを取り除くヘラ)
- 強力接着剤
用意する材料
- 天井の内張となる板やプラスチック段ボール
- 天井の内張に装飾をする場合には、人工皮革や内装材となる生地
これらの道具や材料を用意することができれば、DIYで天井の張り替えを行うことが可能です。
プラスチック段ボールは量販店なら1000円程度で買えるものを2枚。
工具は家にあるものを使えば糊や接着剤などの消耗品の値段を入れても5000円もかからない値段で天井の張替は行えます。
古い天井を剥がす前に、実際の天井サイズを測り新しい天井の内張となる板やプラスチック製段ボールなどの裁断を予め行っておくと良いでしょう。
天井となる内張は後からリサイズする事も可能ですので、やや大きめにカットしておくことをおすすめします。
内張に人工皮革などで装飾を行う場合には、この時点でスプレー糊などを使用しカットした内張に貼り付けておくと、その後の作業をスムーズに進める事ができます。
必要な道具と張り替えの準備が整った所で次の項目では、具体的な天井の張り替え方について説明をしていきます。
ジムニー 天井張替えの価格:具体的な張り替え方
JA22型ジムニーの天井を張り替えるのに必要な道具や材料揃ったら、天井の張替えを行っていきます。
まずは、車両の天井中央部に設置されている補強バーを外していきます。
このバーは、ルーフ部左右の壁にネジ止めされているだけなのでプラスドライバーを使用して外していきますが、かなり強い力で締められていますので、緩まない場合にはネジをハンマーなどで軽く叩き緩めていくと良いでしょう。
バーを外したら、ルーフ部左右の壁に設置されているアシストグリップなども同時に外しておきます。
次は、剥がれている天井部分を引っ張り全ての内張部分を取り外してください。
天井を取り外すと、鉄板と天井内張の間に挟まれていたスポンジが張り付いていますので、スクレーパーを使用し全てを取り除きます。
スポンジの除去が終了したら、シリコンリムーバーや無水エタノールをウエスなどに拭きかけ、鉄板部分の脱脂を行ってください。
この際、脱脂が不完全な状態だと、新しい天井を貼り付けた際に上手く圧着させることができず粘着性が低下してしまうため、念入りに脱し作業を行うことがポイントです。
最後に、接着剤を垂れない程度に鉄板部分へ塗布し新しい天井となる内張をリヤゲート付近から挿入し圧着を高めるためにローラーを使用し密着させ、最初に取り外した補強バーを元に戻せば、天井の張り替えは完了です。
ジムニー 天井張替えの価格:天井の張り替えを行う際の注意点
ジムニーの天井は、ホームセンターで購入する事のできる材料と道具を使いDIYで張り替えれば5000円もかけずに張替えを行うことが可能です。
一方、DIYで作業を行う上で幾つか注意しなければならない点も存在します。
まず1つ目は、新しい天井となる部分にプラスチック段ボールを使用する場合は火の取り扱いに注意するという点です。
ジムニーの天井を張り替える場合には、主に直接内装材を鉄板に貼り付ける方法とプラスチック段ボールなどの板を新しい内張にして張り替えるという方法が主流となっています。
このプラスチック段ボールは強度が高く軽量で、非常に安価な値段で購入する事ができるため重宝する材料ですが、燃えやすいという弱点も存在するため作業中の火の取り扱いに十分注意する必要があります。
2つ目は、窓を開け十分に換気を行うという点です。
天井を鉄板部分に貼り付けるためには、強力な接着剤やスプレー糊などを多用しますがこれらの接着剤の中には、ホルムアルデヒドや酢酸ブチルなど臭いのキツい有機溶剤が配合されています。
これらの有機溶剤は、揮発性が高く大量に吸い込んでしまうと気分が悪くなり重症化した場合には気を失ってしまったり中毒症状などが現れる危険性があるため、必ず窓やドアを開け通気性を確保して作業を行うよう注意しなければなりません。
ジムニー 天井張替えの価格:まとめ
今回はJA22型ジムニーの天井の張替をDIYで行う場合にかかる値段や、なぜ天井が剥がれてしまうのか、剥がれてしまった場合の修復方法などを中心に、JA22型ジムニーと天井の張り替えについて解説をしてきました。
天井が剥がれるまたは垂れ下がってしまう原因は、接着剤の劣化によって粘着性が低下する事が原因のようです。
この現象は一部のユーザーからJA22型ジムニーの持病とまで言われており、発生頻度が高い現象である事から、現在症状が出ていない車両でも今後発生する確率は高いと理解しておく必要があります。
天井を張り替える場合、上を見ながら広い面積を作業しなければならないため、少々手間が掛かってしまいますが、ホームセンターなどで入手することのできる材料を使いDIYでも張り替えを行えるため、興味のある方はチャレンジをしてみると良いでしょう。