ハイトワゴンタイプの『Nワゴン』とトールワゴンタイプの『Nボックス』を比較する際「公式ページを見たのだけれどその違いが分かりにくい…」と思った方もいるのではないでしょうか?
そんな疑問に答えるべく、項目ごとにどんな差があるのか、どちらがおすすめなのかを簡単にまとめてみました。
この記事を参考に読者の方々が目的や好みに合った車選びが出来たのでしたら幸いです。
NワゴンとNボックスの予防安全性能比較
Nワゴンの予防安全性能評価は『ASV+』で、それに対しNボックスは『ASV++』とNボックスの方が評価は高めとなっています。
微々たる差ではあるものの、自動車の任意保険の値段は安全装備や運転支援装置(アシストブレーキシステムなど)が積まれているか、またその評価が高いかどうかでも保険料が変わってくることもあり得るので、ドライバーや同乗者の安全はもちろんその他コストを抑える目的でもより高い安全性評価を得ている車を選ぶのがおすすめです。
ちなみに政府が交通事故防止対策の一環として普及啓発している『セーフティ・サポートカーS(略称:サポカーS)』の評価もNボックスが全タイプ『ワイド』を備えているのに対し、Nワゴンの方は『ベーシック』で、それもカスタムの特別仕様車を除いてメーカーオプションで『シティーブレーキアクティブシステムを付けたときのみ』になっていることも注意しておくべきでしょう。
急ハンドルや、雨や雪などで起こりやすい横滑りを防止するVSAは他のメーカー同様、両車ともに標準装備となっています。
サイドエアバッグに関してはNボックスの方が標準装備しているモデルが多く(スロープ仕様車を含むタイプG、Lを除く)、Nワゴンは特別仕様車を除いてオプション扱いとなっています。
前部座席は『3点式ロードリミッター付プリテンショナーELRシートベルト』後部座席は『ロードリミッター付きELRシートベルト(スロープ仕様を除く)』と両車に違いはありません。
衝突安全性能評価では両車とも『G-CON』フレームを採用し、サイドエアバッグ&アシストシステム搭載車での計測をおこないどちらも最高ランクの五つ星を獲得しています。
総合的には複数の仕組みを組み合わせた運転支援機能の『Honda SENSING』を全車標準装備しているNボックスの方が、事故を予防しやすい点でおすすめと言えるでしょう。
NワゴンとNボックスの走行性能比較ではNボックスよりも『Nワゴン』がおすすめ!
燃費はJC08モードかつターボを除くFF車という条件で、Nワゴンがで29.4km/L、Nボックスが27.0km/Lとなっています。
その差は2.4km/Lと大きくはなく、運転傾向によって簡単に覆る程度の差しかありません。
より実燃費に近い国際基準のWLTC数値は(2018年11月現在)どちらの車種にも明記されていませんが、実燃費はそれほどの差はないものと思われます。
一箇所にまとまっていて見やすい3眼式のメーターが欲しいのであれば、それを採用しているNワゴンカスタムを選択するのが良いでしょう。
高速道路などを走行時安定しているのは間違いなくNワゴンの方です。
トールワゴンであるNボックスは車高が高い分重心も高くなっており、空気抵抗も大きいので高速走行には向いていません。
その点ハイトワゴンでありながらも流線型を保っているNワゴンの方が空気抵抗も少なく、高速道路走行時に安定した速度を維持することが出来ますし、Nボックスに比べると重心も低くなっているので横転などの危険性も低くなっています。
NワゴンとNボックスのエクステリア&インテリア比較ではNワゴンもNボックスも一長一短
カラーバリエーションはNワゴンは『ホワイト2種、ブラック、グリーン、ブルー2色、シルバー、ブラウン、アイボリー』の全9色。
Nボックスはそれに加えて単色の『イエロー』ツートンカラーの『ピンク&ホワイト、イエロー&ホワイト、アイボリー&ブラウン』の選択が可能です。
ちなみにNワゴンもカスタムならツートンカラーの選択肢があるのですが、『ルーフ部分だけ』しか別カラーが付かないのでサイドから見たとき『ツートンカラー特有のオシャレ感』が薄いので筆者的にはあまり心にささりませんでした。
ですが内装やシートの高級感はNワゴンの方が上なので、外からの見た目にこだわりたい人にはNボックスを、内装の見た目にこだわりたい人にはNワゴンがおすすめです。
ちなみにヘッドライトはNワゴンが『ハロゲン式』Nワゴンカスタムが『プロジェクター式(HID)』Nボックスが通常、カスタム共に『LED式』を採用しています。
消費電力はHIDやLEDが少なく優秀ですが、熱量が小さいため極寒の環境ではヘッドライト周りに付いた雪や氷が溶けず、ライトの光が弱まってしまう可能性があります。
その点ハロゲン式は消費電力が高い分熱量も大きいので、ライト周りの雪や氷が溶けやすいというメリットがあります。
居住地域においてどちらが優位かを考えてみるのも良いでしょう。
NワゴンとNボックスの快適装備比較ではNワゴンよりも『Nボックス』がおすすめ!
『運転席&助手席シートヒーター』は両車とも4WD車には全タイプ搭載されているので、どちらを選んでも問題ないでしょう。
『360℃・スーパーUV・IRカットパッケージ』はNボックスは『全タイプ装備』Nワゴンは『L・特別仕様車・ターボパッケージ』に限られています。
紫外線による日焼け防止や、遮熱でエアコンの効きを良くしたいのであればNボックスを選ぶか、Nワゴンの上位モデルがおすすめです。
スライドドアを装備しているNボックスは、ドア下部分に足先をかざすと自動的にドアが開くという『ハンズフリースライドドア』機能を付けることも可能です。
子供を抱きかかえていたり、買い物袋を両手に持っている場合には非常に便利な機能でしょう。
子供や足の悪いお年寄りなどが乗車しやすいよう、ドアの開閉時に自動的に出てくる『オートドアステップ』を付けることが出来たり、車椅子ごと乗車可能な『スロープ仕様』モデルがあったりする点では家族や使用者の形態に合わせて自在なカスタマイズが可能なのもNボックスの利点となっています。
NワゴンとNボックスの室内空間&収納スペース比較では圧倒的な差で『Nボックス』が勝利!
これに関してはNボックスの方が圧倒的に有利です。
ハイトワゴンであるNワゴンも他社軽ハイトワゴン車に比べれば広い車内空間を実現していますが(特に足下周り)、さすがにトールワゴンタイプには敵いません。
スライドドアを採用し乗降も楽で、運転席側から後部座席へのアクセスを可能としているNボックスの方が、居住性は圧倒的に上となっています。
トールワゴンの車高の高さを生かしサンバイザーの更に上にも収納がある点もNボックスならではと言えるでしょう。
各座席の側にある収納もNボックスの方が多いのですが、Nワゴン特有の収納スペースというものもあり、代表的なものは以下に挙げるものがあります。
- 大きいグローブボックス
サイズはNボックスより大きく、薄型のティッシュボックスなら重ねて3つ程度入れることが可能 - 後部荷室アンダーボックスの採用
後部座席後ろにある荷室は床下収納を備えていて、常時閉まっておきたい小物や非常用具をしまうことで通常の荷室のスペースを広く確保しておくことが出来る - リアシートアンダートレー
後部座席下にあり靴や置き傘などを置くことができる - フロント中央に引き出しトレーの採用
状況に応じて小物やドリンクまで必要なものの大きさに合わせてスライドして、トレーの広さを変えることができる引き出し型収納スペース
これらと通常の収納スペースで充分なのか、各ポジションにもっと収納が必要かどうかによってどちらの車の方が良いかは人によって異なるでしょう。
NワゴンとNボックスの比較結果まとめ
以上のように『車としての走行性能』を取るならNワゴンを、『居住性の高さ』『安全性能』を取るのであればNボックスの方がおすすめとなっています。
より走行性能を突き詰めるのであればN-ONEやツーシーターのS660という選択肢もありますがね?
『Nワゴン』『Nボックス』同じハイトタイプ軽自動車でも運転のしやすさ、車内での行動のしやすさなど結構異なるので、車選びの際は可能であれば実車を試乗運転、無理なら店員さんに許可をもらい展示中の車両に乗ってみて、運転時どんな感じなのかをイメージしてみることが大切だと思いますよ?