NBOXカスタムのターボチューニングをするにはどうしたらよいのでしょうか。
現在NBOXカスタムのターボモデルに乗っている方の中には、エンジンのチューニングを行い走行性能のアップを図りたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、NBOXカスタムに搭載されているエンジンはチューニングが難しいと言われているため、従来型エンジンの様に簡単にチューニングを行えないと言う問題を抱えています。
そこで今回は、NBOXカスタムに搭載されているエンジンや可能な範囲でのチューニング手段などを中心に、NBOXカスタムターボとエンジンチューニングについて解説していきます。
NBOX カスタム ターボ チューニング:NBOXカスタムに搭載されているエンジンはどんなもの?
車を走行させる上で必ず必要となるのがエンジンですが、NBOXカスタムにはどんなエンジンが搭載されているかご存じでしょうか。
NBOXカスタムをはじめとしたホンダ社製軽自動車には、ホンダ・S型エンジンと呼ばれる直列3気筒DOHCエンジンが搭載されており、初期モデルであるJF1/2型にはS07Aが新型モデルであるJF3/4型にはS07Bと言うエンジンが搭載されています。
このS型エンジンは、2003年から製造が開始されていたホンダ・P型エンジンの後継機として開発され、従来型のエンジンよりも低回転域で効率良く力を伝えられる事が特徴となった、街乗りなどを目的とするエンジンです。
また、P型エンジンよりも約15%程軽量化されており、エンジン自体の大きさも小型化されているためエンジンルームを縮小し、その分の面積を室内空間に回すことにも貢献しているため、NBOXカスタムはじめとしたNシリーズなど様々な車種に採用されているエンジンとなっています。
NBOX カスタム ターボ チューニング:高回転域は苦手なエンジン
NBOXカスタムに搭載されているS型エンジンは、低回転域での燃焼効率を優先させているため、走り出しの加速が良く低燃費を実現しています。
さらにターボユニットと組み合わせることで、低速域から中速域までは軽自動車とは思えないほど軽快に走行する事が可能となっており、その走行性能は1,000ccクラスのコンパクトカーを凌ぐ性能とも言われています。
しかし、エンジンの回転数が5,000回転以上の高回転域に達するとパワーロスが発生し、ターボなどの恩恵を受けることができず燃費も著しく低下してしまうデメリットも併せ持っているのです。
これらの問題を解決する場合、従来型のエンジンであればターボのブーストアップなどを行い走行性能を向上させることが可能でしたが、S型エンジンはその特性からチューニングが難しいと言われています。
次の項目では、チューニングが難しいと言われる訳を解説していきます。
NBOX カスタム ターボ チューニング:S型エンジンのチューニングが難しい訳
一昔前のターボ付エンジン車は、簡単にチューニングを行う事ができ手軽に走行性能を向上させることが可能でしたが、NBOXカスタムなどに搭載されるS型エンジンはチューニングが難しいと言われています。
エンジン自体が高性能になったのにも関わらず、なぜチューニングが難しくなったのかと疑問に思う方もいらっしゃると思いますが、これにはハッキリとした原因が存在します。
それは、エンジンの小型化による弊害です。
NBOXカスタムに搭載されているS型エンジンは、従来のエンジンよりも小型化されているため、シリンダーブロックと呼ばれる内燃機関のサイズが縮小されている事から廃熱処理の速度が遅く、単純にターボタービンの出力を上げ走行性能を向上させる事ができないのです。
また、S型エンジンはターボタービンから受け取るブースト圧が他のエンジンよりも低く設定されているため、大幅にブースト圧を上げてしまうとエンジンが破損(エンジンブロー)してしまう点もチューニングが難しい理由の1つとなっています。
ここまで来ると、エンジンのチューニングはほぼ不可能ではないかと考えてしまいますが、全くチューニングの手段が無いと言う訳ではありません。
次からの項目では、エンジンの破損を避け可能な範囲でのチューニング手段について解説していきます。
NBOX カスタム ターボ チューニング:チューニング手段・その1
ECU(エンジンコンピューター)の書き換え
前述した通りNBOXカスタムのエンジンチューニングを行う場合は、エンジンの特性からブーストアップやタービンの交換などによるチューニングは行う事ができません。
そこで用いる方法が、ECUのROMデータを書き換えてしまうと言う方法です。
ECUの書き換えは、エンジンのピークパワーのタイミングをパソコンなどの専用機材を使用してデータを書き換え、エンジンの性能を最適化するチューニング手段となります。
パソコン内にS型エンジンの限界値とピーク値のデータを入力し、極力パワーロスを減らすセッティングを行うため、ブーストアップによるエンジンの破損を防ぎ安全の範囲内で走行性能を向上させる事が可能です。
ROMデータの書き換えはチューニングショップへ出向き、車とパソコンを直接接続して行うため手間と時間が掛かってしまいますが、既に装着を行っている他のチューニングパーツに合わせた個別のセッティングが可能となるため、バランスのとれたエンジンチューニングを行えることが魅力と言えます。
ただし、ROMデータを書き換えてしまうと販売店などでの点検を断られる場合もありますので、書き換え前に相談を行うと良いでしょう。
NBOX カスタム ターボ チューニング:チューニング手段・その2
サブコン(サブコントロールユニット)の導入
こちらのエンジンチューニング方法は、前述したECUのROMデータを書き換える方法ではなく、既存の純正ROMデータへ特殊な機器を装着しチューニングデータを割り込ませると言う方法となります。
大半のサブコンは汎用品となっている事から、チューニング効果を感じづらいことが難点ですがNBOXカスタムの場合には、S07A・S07B型エンジン共に専用のサブコンが販売されているため、劇的なチューニング効果を体感することができます。
サブコンの機種によっては、チューニングレベルを数段階に分けて調整できる物もありパワーバランスを好みに応じて変化させることも可能です。
また、純正ECUのROMデータを書き換える事なくエンジンチューニングを行う事ができるため、販売店でのECUバージョンアップや点検時に作業を断られると言う心配もありません。
NBOX カスタム ターボ チューニング:まとめ
今回は、NBOXカスタムに搭載されているエンジンや可能な範囲でのチューニング手段などを中心に、NBOXカスタムターボとエンジンチューニングについて解説してきました。
ホンダ・S型エンジンは、その特性や構造からチューニングが難しいと言う事が分かったと思います。
そのため、ターボタービンの交換やブーストアップによる大規模なエンジンチューニングを行う事ができませんが、ECUの書き換えやサブコンの導入などによってエンジンパワーを最適化するチューニングは可能となるため、走行性能を向上させたい場合にはこの手段を用いると良いでしょう。