NBOXのアイドリングストップ学習方法について解説をします。
NBOXにはアイドリングストップという機能が備わっていますが、何らかの原因で突然アイドリングストップが機能しなくなってしまう場合があります。
この場合、走ることや止まることに関して問題がある訳では無いものの、アイドリングを行っているままの状態が続き無駄にガソリンを消費してしまうため、アイドリングの再学習をさせなければなりませんが、学習方法が分からないと言う方も多いと思います。
そこで今回は、アイドリングストップが機能しなくなってしまう原因や、再学習方法などを中心に解説していきます。
NBOXのアイドリングストップ学習方法|アイドリングストップ機能とは?
昨今ではハイブリッド車やEV(電気自動車)車を中心に、二酸化炭素の排出削減を目的として様々な環境対策を行う自動車が増えていますが、アイドリングストップもその中の1つと言えます。
アイドリングストップ機能とは、自動車の走行速度が一定以下になった場合やエンジンの動作が必要ないとECU(エンジンコンピューター)が判断した場合に、自動的にエンジンの動作を止め、アイドリングを停止する機能の事を指します。
エンジンが停止すると言ってもカーナビゲーションやエアコンなどが停止することは無く、エンジンを始動する前のACC(アクセサリーモード)と同じ状態となり、ブレーキを緩めることによって再度エンジンが動作を始めると言う構造になっています。
これはハイブリッドシステムなど高価なユニットを搭載しなくても、ECUのコントロールによって使用するガソリンの量を減らしたり排出する二酸化炭素を減らす事ができるため、導入に対してのコストが低い事も重なって2010年以降に製造された多くの車種にこの機能が搭載されています。
NBOXのアイドリングストップ学習方法|バッテリー交換などを行った場合には再学習が必要
アイドリングストップ機能は、高価なハイブリッドシステムなどを搭載しなくても排気ガスや無駄に使用してしまうガソリンを減らす事のできる機能ですが、バッテリー交換などを行った場合には、再学習を行わなければアイドリングストップ機能が作動しないため注意する必要があります。
なぜ、再学習を行わなければならないかと言うと、ECU(エンジンコンピューター)に記憶されているアイドリングをストップさせる情報が、バッテリーを交換したことによって消去されてしまいECUから指示が出せなくなってしまう事が原因です。
この状態になると、走ることや止まることに関して問題が発生することはありませんが、信号待ちなどの状態でもアイドリングが止まることは無く、排気ガスの排出やガソリンの消費を抑えることはできません。
また、バッテリーを交換しない場合でも何らかの作業を行うためバッテリーを外してしまうと、上記と同じ現象が起こってしまうためアイドリングストップ機能を再学習させなければ機能が作動しなくなってしまいます。
NBOXのアイドリングストップ学習方法|再学習方法は?
アイドリングストップ機能は、バッテリーの交換や取り外しによって、ECUに記憶されている設定が消去されてしまうため、これらの作業を行った後は再学習を行わなければ、アイドリングストップ機能を作動させることはできませんが、ここでは再学習方法について説明していきます。
まずは、アイドリングストップが機能していない状況なのかを確認していきます。
NBOXの場合にはメーター内に「A」と言う文字を矢印が付いた丸で囲んだ表示がアイドリングストップの表示灯となります。
機能が正常に作動している場合にはこの表示は緑色に点灯しますが、エンジンを始動後5分以上経ってもこの表示がオレンジ色になっている場合は、警告灯表示となっておりアイドリングストップ機能が作動できない事を示しています。
アイドリングストップ機能が作動していないことを確認出来たら、再度エンジンをOFF状態にしてプッシュスタートボタンを2度押しエンジンをON状態にします。
その後1分~2分程度アイドリングを行いますが、この工程を3回~4回程度繰り返すことでアイドリングストップ機能を再学習させることができます。
再学習の完了となるサインは、前述した表示灯がオレンジ色から緑色に変わるまでとなります。
この際、電圧の余分な変化を感知させないようエアコンやカーナビゲーションなどの機器は極力電源をOFFにしておくことが望ましい状態です。
NBOXのアイドリングストップ学習方法|例外としてアイドリングストップ機能を強制停止させることもできる
アイドリングストップ機能は、排気ガスの排出削減やガソリンの消費を抑える事のできる優れた機能ですが、例外としてこの機能を強制的に停止させる事も可能です。
なぜ、環境に配慮したこの機能を停止させる必要があるのかというと、原因はアイドリングストップ機能の構造にあります。
アイドリングストップ機能はエアコンやカーナビゲーションなどの機器を停止せずACCモードからエンジンONモードを繰り返すイメージの構造となっていますが、このエンジンの始動と停止を行う一連の動作はバッテリーにとって非常に負担が大きい動作でもあり、バッテリーの寿命はアイドリングストップ機能を搭載しない車種と比べても大幅に短くなると言う事でもあります。
さらにバッテリーの力が弱まってきた車の場合には、エンジンが再始動出来なくなる場合もあり、この様な状態の場合には強制的にアイドリングストップ機能を停止する必要があるのです。
強制的にアイドリングストップ機能を停止させる方法ですが、新型NBOXの場合にはシフトノブの右側に配置してある「ECON」スイッチを押し、インフォメーションパネルに表示される花と葉をモチーフにした表示灯が消えると強制的にアイドリングストップ機能を停止させる事が可能です。
NBOXのアイドリングストップ学習方法|再学習を行ってもアイドリングストップ機能が作動しない原因は?
アイドリングストップ機能は、バッテリーの交換や取り外しなどによって設定が消去されてしまうため、再学習を行う事で再び作動させる事ができますが希に再学習を行ってもアイドリングストップが作動しない場合があります。
ここでは、アイドリングストップ機能が再学習後も作動しない場合の原因について解説していきます。
最も可能性が高い原因は、エンジンが温まっていない場合です。
アイドリングストップ機能は、冷却水の温度やその他トランスミッションオイルなどの温度が低い場合には、エンジンに負担が掛かるためアイドリングストップが作動しないように設定されています。
そのため、再設定後にエンジンが冷えている場合には機能が正常に作動しない場合があります。
また、再学習が上手く行われておらずECU内にバッテリー内部抵抗値の情報が残ってしまっている場合にも、アイドリングストップ機能が正常に作動しない場合があります。
こちらは、再度学習を行う事で解消させることが可能です。
最後に原因として考えられるのは、スターターの作動回数が設定値を超えている場合です。
これは、スターターを酷使することによる火災などを防ぐための安全装置が作動している事が原因となっており、アイドリングストップ機能の再学習を複数回行っても改善されない場合には、ディーラーの診断機やコンピューターを使用して再調整を行う必要があります。
NBOXのアイドリングストップ学習方法|まとめ
今回は、アイドリングストップが機能しなくなってしまう原因や、再学習方法などを中心にNBOXのアイドリングストップ学習方法について解説してきましたが、NBOXに於けるアイドリングストップ機能の停止はバッテリーを交換する事や外す事によって発生するものが殆どです。
いずれも再学習を行う事で、再びアイドリングストップ機能を作動させることが可能ですが、バッテリーその物が劣化している場合やECUに原因がある場合は、再学習を行っても機能が作動しない場合もあるため、ディーラーなどで点検を受ける事をおすすめします。
また、バッテリーへの負担を考えた場合には、排気ガスの排出量やガソリンを消費する量が増加してしまいますが、強制的にアイドリングストップ機能を停止することも可能ですので、知識として覚えておくと良いでしょう。