現在Nボックスを所有している方の中には、アイドリングストップしない現象に悩ませられている方も多いのではないでしょうか。
この場合、走ることや止まることに関して問題がある訳では無いものの、常にアイドリングを行っているままの状態が続いているため環境や燃費に大きく影響を及ぼしてしまいます。
そこで今回は、アイドリングストップが機能しなくなってしまう原因や、その場合の解決方法などを中心に、NBOXがアイドリングストップしなくなった場合の対処法について解説していきます。
Nボックスがアイドリングストップしない場合|アイドリングストップとは?
昨今ではハイブリッド車やEV(電気自動車)車を中心に、二酸化炭素の排出削減を目的として様々な環境対策を行う自動車が増えていますが、アイドリングストップもその中の1つと言えます。
アイドリングストップとは、自動車の走行速度が一定以下になった場合やエンジンの動作が必要ないとECU(エンジンコンピューター)が判断した場合に、自動的にエンジンの動作を止め、アイドリングを停止する機能の事です。
エンジンが停止すると言ってもエアコンやナビゲーションなどが停止することは無く、エンジンを始動する前のACC(アクセサリーモード)と同じ状態となり、ブレーキを緩めることによって再度エンジンが作動すると言う構造になっています。
これはハイブリッドシステムなど大掛かりで高価なユニットを搭載せずに、ECUからのコントロールによって使用するガソリンの消費量を減らし排出する二酸化炭素を減らす事が可能なことと、導入に対してのコストを大幅に抑える事が可能なため、NBOXには2011年に販売が開始された初代モデルからこの機能が搭載されています。
Nボックスがアイドリングストップしない場合|原因その1 バッテリーの電圧が関係している
アイドリングストップ機能は、高価なハイブリッドシステムなどを搭載しなくても排出ガスやガソリンの消費量を減らす事のできる優れた機能ですが、様々な事が原因となりこの機能が作動しなくなってしまう事があります。
ここからは、アイドリングストップをしなくなる原因と解決方法につて解説していきます。
NBOXでアイドリングストップを行わなくなる最も多い原因は、バッテリーが関係しています。
アイドリングストップは、エンジンの始動と停止を繰り返すためバッテリーに大きな負担がかかる機能でもあります。
そのため、他の車両と比べてバッテリーの劣化速度が速く、多くの蓄電量を必要とします。
高速走行などの長距離運転でバッテリーを定期的に充電している車両は特に問題がありませんが、街乗りなどアイドリングストップの作動回数が多く充電量が少ない車両はバッテリーの電圧が下がり、エンジンの再始動を行えなくなる可能性があるとECUが判断するため、アイドリングストップを行わなくなってしまうのです。
この場合、高速走行などでバッテリーを充電し電圧を元に戻す事で再びアイドリングストップを行う様になりますが、バッテリー自体が劣化をしている場合にはバッテリーを新しい物に交換しなければなりません。
Nボックスがアイドリングストップしない場合|原因その2 バッテリー交換などで設定が消去されている
NBOXの場合にはアイドリングストップ機能の設定がECUに記憶されており、バッテリーの交換や何らかの作業を行うためバッテリーを外してしまうと、この記憶が消去されてしまい指示を出す事ができなくなるため、アイドリングストップが行われなくなってしまいます。
そのため、これらの作業を行った後はアイドリングストップの再学習を行わなければ、再度機能を作動させることはできません。
解決方法としてはプッシュスタートボタンを2度押す、またはエンジンキーを回しエンジンをON状態にします。
その後1分~2分程度アイドリングを行う作業を3回~4回程度繰り返すことでアイドリングストップ機能を再学習させることができます。
再学習の完了となるサインは、アイドリングストップ表示灯がオレンジ色から緑色に変わるまでとなりますが、この工程で再学習を行ってもアイドリングストップが行われない場合には他の箇所で不具合が発生している可能性があります。
Nボックスがアイドリングストップしない場合|原因その3 作動条件を満たしていない可能性がある
アイドリングストップ機能は、バッテリー電圧の低下やバッテリー交換などで記憶されている設定が消去されてしまうと機能が作動しなくなってしまいますが、これらの他に正常に作動する条件が整っていない場合には、ECUの判断でアイドリングストップを行わない場合があります。
原因として最も可能性が高いのは、エンジンが温まっていない場合です。
アイドリングストップ機能は、冷却水の温度やその他トランスミッションオイルなどの温度が低い場合には、エンジンへ負担が掛かるのを避けるためアイドリングストップが作動しないように設定されています。
また、外気温と車内の温度差が大きくエアコンに高負荷がかかっている場合にもバッテリー上がりを防止するためにアイドリングストップが行われない場合があります。
これらは、機械的要因と言うよりも動作する環境が整っていないと言う事が原因となりアイドリングストップ機能を停止しているものですので故障や不具合という訳ではありませんが、解決策としては暖気運転を行う事やエアコンの設定温度を外気温に近い値へ設定するなどの方法で、作動条件を満たすほか無いのが現状です。
また、アイドリングストップに於いてエンジンスターターの作動回数が設定値を超えている場合、火災などを防ぐための安全装置が作動しアイドリングストップが行われない事がありますが、アイドリングストップ機能の再学習を複数回行っても改善されない場合があるため、こちらの場合にはディーラーの診断機やコンピューターを使用して再調整を行う必要があります。
Nボックスがアイドリングストップしない場合|ECONがOFFになっている
アイドリングストップ機能は、排気ガスの排出削減やガソリンの消費を抑える事のできる優れた機能ですが、NBOXの場合にはECONと呼ばれる機能がOFF状態になっている事でもアイドリングストップが行われません。
このECON機能はエンジンやトランスミッション、エアコンなどの動作を制御し省エネ運転を手助けする機能となっており、アイドリングストップ機能もこのECON機能の1つとなっています。
ECONは走り出しのトルクが減り加速がスムーズに行えないなどの不満やエンジンの始動・停止に伴うバッテリーへの負担を軽減する目的から機能をOFFにする事も可能ですが通常であれば、エンジンを切り再始動を行うとECONは自動的にON状態へ戻る仕組みとなっています。
しかし、中古車などで購入した車両の中には、社外品としてECONを強制停止させるグッズが装着されている場合もあり、後から購入したユーザーはこのグッズが取り付けられている事を知らないために、アイドリングストップ機能に不具合があるのではと考えてしまうユーザーもいるようです。
解決方法としてはこの社外品グッズの機能を取り外す、または停止させる事ですがNBOXの場合には大半のケースでプッシュスタートボタンの周辺に配置されているアクセサリースイッチにECON強制停止ボタンが設置されているため、機能自体は簡単に停止させる事が可能です。
Nボックスがアイドリングストップしない場合|まとめ
今回は、アイドリングストップが機能しなくなってしまう原因や、その場合の解決方法などを中心に、NBOXがアイドリングストップしなくなった場合の対処法について解説してきましたが、NBOXに於けるアイドリングストップ機能の停止はバッテリーを交換する事や電圧の低下が原因で発生する事がわかります。
いずれも再学習を行う事で、再びアイドリングストップ機能を作動させることが可能ですが、バッテリーその物が劣化している場合やECUに原因がある場合は、再学習を行っても機能が作動しない場合もあるため、ディーラーなどで点検を受ける事をおすすめします。
また、気温などの作動条件が整わない場合にもアイドリングストップが行われなくなるため、機能を作動させたい場合は暖機運転を行うなど作動条件を満たす必要があります。