プリウスは後部座席を倒すことができるのでしょうか。
プリウスは世界で初めて実用化され大量生産ベースに乗ったハイブリッド車です。
1997年に初代10系プリウスが発売されて以来モデルチェンジを重ねてきました。
プリウスは後部座席下に大きな駆動バッテリーを収めるために後部座席ポジションが高くなることや独特のスタイリングのために、後部座席の居住性や使い勝手が新しいモデルが出るたびに話題になってきました。
ここでは、各モデルの後部座席の倒し方と居住性を比較します。
プリウスの後部座席を倒す|初代プリウスの場合
プリウスの後部座席の倒し方は、モデルによって異なります。
初代10系プリウスは1997年に発売され、初めて量産ベースにのったハイブリッド車として人気を集めました。
しかし、後部座席下に大きな駆動バッテリーを搭載するため、後部座席のシートポジションは自由度が低く、可倒式ではありませんでした。
したがって、液晶テレビのアンテナ線などを交換するためには、後部座席のシートを取り外す必要がありました。
後部座席の座面下の左右のピン各1本を抜くと、座面は手前に引き抜くことができます。
プリウスの後部座席を倒す|2代目プリウスの場合
2代目20系プリウスは、2003年に発売開始され、2011年に生産終了しました。
20系は国外市場に配慮してやや大型化され、5ドアハッチバックが採用されました。
その際に空力デザインを追求した「トライアングル・シルエット」へとボディ形状が大きく変更されました。
これで、5人乗りハイブリッド車としては最高の燃費を獲得し、2003年度にはグッドデザイン大賞も受賞しています。
2代目プリウスの後部座席
しかし、この「トライアングル・シルエット」のために、後部座席の居住性が犠牲になっているという意見もあります。
後部座席は、リクライニング機能がない上に背もたれがかなり直角に立っています。
しかも天井が後部座席に向けて低くなってくるので大柄な男性は頭がつかえてしまいます。
ただし、後部座席が6:4分割可倒式になり、貨物スペースを広げられるようになり、荷物の積載に関しては融通が利くようになりました。
プリウスの後部座席を倒す|3代目プリウスの場合
3代目30系プリウスは、2009年から2016年まで販売されました。
2011年のマイナーチェンジ後のモデルを後期型と呼んで区別することもあります。
2012年には30系プリウスをベースとした35系のプリウスプラグインハイブリッド(PHV)も一般に販売されています。
スタイリングは2代目プリウスの「トライアングル・シルエット」を継承しています。
3代目プリウスの後部座席
後部座席もリクライニング機能は設けられませんでした。
天井の圧迫感は相変わらずですが、6:4分割シートを倒してフラットにできる点は継承されています。
そのため、特にPHV車が市販されるようになって車中泊の利便性が増し、プリウスで車中泊を楽しむ人も増えてきました。
プリウスの後部座席を倒す|プリウスαの場合
3代目プリウスの派生型として、2011年には40系と呼ばれるプリウスαも販売されました。
プリウスαにはステーションワゴン型2列5人乗りとミニバン型3列7人乗りモデルがあります。
従来のトライアングル・シルエットを大きく変更し、後部座席にも十分な天井高さを確保したワゴン型のスタイリングになりました。
プリウスαの後部座席
その結果、5人乗りの後部座席でも大人の男性がゆったり座れるだけの天井高さが確保されています。
後部座席も初めてリクライニング機能が搭載され、後部座席の快適性が増しています。
6:4分割可倒シートでフラットにして車中泊を本格的に楽しむこともできるようになりました。
7人乗りでも、リクライニング機能と6:4分割可倒シートは維持されています。
さらに3列目シートもリクライニング機能と5:5分割可倒シートを備えています。
プリウスの後部座席を倒す|4代目プリウスの場合
4代目50系プリウスは、2015年から販売を開始した現行モデルです。
2017年にはPHVモデルも販売開始しました。
4代目プリウスの後部座席
またもやリクライニング機能の搭載は見送られてしまったのですが、6:4分割可倒シートは継承されています。
そして少し背もたれの角度が緩やかになり、前代よりも座り心地が改善されています。
後部座席頭上のクリアランスが5mm高くなった他、背もたれの角度がやや緩くなり、座面も広さが490mmから530mmへと広くなっており、ゆったりと座れるように配慮されています。
座面高さは360mmから335mmへとやや低めになって、後部座席からの見通しも良くなっています。
PHVモデルでもリクライニング機能の搭載は見送られていますが、後部座席は大きなセンターコンソールを設けて2人乗りとし、その分シートのホールド力を高めるなど居住性を高めるように工夫されています。
プリウスの後部座席を倒す|各モデルの比較
初代プリウスから現行モデルまでの各モデルの後部座席の倒し方を比較してきました。
当初より後部座席の居住性には課題のあったプリウスですが、2代目以降、「トライアングル・シルエット」と6:4分割可倒シートを継承しながら後部座席の居住性を高めてきたことがわかります。
居住性に重点を置いたプリウスαがありますので、今後もプリウスの後部座席にリクライニング機能が搭載される可能性は低そうです。
しかし、後部座席の居住性の改善はこれからも続くと思われますので、新しいモデルを楽しみにして待ちたいと思います。