プリウスにおける10万キロ走行時のメンテナンスについて解説します。
自動車にとって10年または10万キロというのは1つの節目と言われており、日々のメンテナンスの結果が目に見える形で表れてくる時期でもあります。
特に10万キロと言う多走行車には日々のメンテナンスの他に、より細かいメンテナンスが必要になる場合があり、プリウスの様なハイブリッド車は部品の交換などで費用も高くなるケースが多くなっています。
今回はそんな中からメンテナンスを行った方が良い場所、行わなくても良い場所などを中心に調べてみました。
プリウス10万キロ走行時のメンテナンス:必要性
日本には四季があり、暑い・寒い・湿度が高いなど悪条件が重なる事が多く、自動車にも様々な影響を及ぼす事があります。
そんな条件にも対応できる様、日本車は外国車と比べて電装系のパーツなどに悪条件でも耐えられる工夫がされた物を採用し、長い距離を走行できる耐久性を身につけています。
しかし、どんなに優秀なパーツを使った日本車でもパーツの劣化は防ぐ事ができません。
特にプリウスの様なハイブリッド車はガソリン車などと比べて、より細かいメンテナンスが必要となってきます。
この日々行うメンテナンスや定期的に行うメンテナンスが無ければ、日本車と言えども10万キロの様な多走行を行う事はできません。
メンテナンスとは、車の寿命を延ばしてくれる特効薬の様なものなのです。
プリウス10万キロ走行時のメンテナンス:エンジン周り
エンジン周りのメンテナンスで定期的に行う事と言えば、約5000キロ~約1万キロ毎に交換するエンジンオイルのメンテナンスが一般的ですが10万キロの場合には、より踏み込んだメンテナンスが必要な場合があります。
エンジンオイルの交換以外にも、ブレーキフルード(ブレーキオイルとも呼びます)やパワーステアリングオイルの交換は、必要になってくるでしょう。
また、エンジン本体やプリウスの場合にはモーターをシャーシに固定する場合に使われ、エンジンの振動が車体へ伝わるのを抑えるエンジンマウントと呼ばれる部品も10万キロ前後で、中に入っているオイルが漏れ出す事がある為、注意が必要です。
また、エンジンオイルに関しては10万キロ走行した事によってエンジン内部にあるシリンダーと呼ばれるパーツが摩耗している場合があり、従来入れていた粘度の低いオイルを使い続けていると、エンジンの振動や音が大きくなる場合がある為、5w-20や10w-30など比較的に硬めのオイルに交換すると良いでしょう。
プリウス10万キロ走行時のメンテナンス:足回り
10万キロを走行した車は足回りのメンテナンスも重要です。
特に初代10系プリウス~30系プリウスまで作用されたリヤサスペンションは、同じトヨタ自動車から販売されているハイエースなどに採用されている物と同じ構造のトーションビーム式となっており、耐久性には定評がありますが交換なども視野に入れたメンテナンスが必要です。
10万キロの多走行ですと、ショックアブソーバーからのオイル漏れも発生する場合があり、このオイル漏れが確認された場合、車検不適合となるため注意が必要です。
日々のメンテナンスでオイル漏れや段差などで異音が発生していないかチェックして下さい。
また、ブレーキローターも多走行によって傷や摩耗が発生している場合があり、ローターの研磨作業やローター自体の交換も必要になる場合があります。
プリウス10万キロ走行時のメンテナンス:内装
10万キロの走行でメンテナンスが必要なのは、エンジンや足回りだけではありません。
内装のメンテナンスも必要になる場合があります。
- 多走行によってドアトリムなどの内張りの取り付けに緩みが発生しロードノイズによって共鳴し異音などが出てしまったり場合
- ドアトリムの固定に必要なグロメットと呼ばれるクリップが外れてしまったり破損している場合
がある為、チェックする必要があります。
また、以外と気付かないのがシートベルトのメンテナンスです。
これは、シートベルトに付着した汚れやベルトを巻き取る部品のオイルがシートベルトに付いてしまい、ベルトの伸縮が悪くなる事があります。
この場合、台所洗剤などの中性洗剤で汚れを落とす事によって、新車時の様にスムーズにシートベルトの伸縮が行える様になりますので、気になる方はメンテナンスの一環として行うと良いでしょう。
プリウス10万キロ走行時のメンテナンス:行わない方が良い事もある
メンテナンスと言うと、パーツを交換したり洗浄や調整を行うと言う事が多いですが、中にはこれらのメンテナンスを行わない方が良いとされているものも存在します。
代表的なのはオートマチック・トランスミッション・フルード(ATF)の交換です。
プリウスに搭載されているオートマチックシステムはCVTですが、他の車に搭載されているCVTとは異なり、クラッチやベルトなどのパーツが一切使用されていない特殊な物となっています。
その為一般的なCVTと比べ、ATFの劣化が起きにくいと言われていますがエンジンオイルと同様に徐々に酸化してしまう為、交換した方が良いと言われています。
このATFと言うのはエンジンオイルの様に、一度に全てのオイルを交換する事ができない為、通常は約3万~5万キロで半分の量を交換すると言うのが一般的ですが、10万キロ走行の場合ATFを交換する事によって、トランスミッションのバランスが崩れてしまう事があると言われています。
これは、オイルに出た細かい金属の粉がトランスミッション内の小さな傷の様な場所に入り込む事によってバランスが保たれていると考えられており、10万キロなどの多走行車はこの汚れによってバランスを保っています。
そのため、ATFの交換は多走行になればなるほど、行わない方が良いとされています。
プリウス10万キロ走行時のメンテナンス:まとめ
今回は、プリウスの10万キロ走行時に於けるメンテナンスについて調べてきましたが、やはり多走行と言う事で日頃のメンテナンスよりもさらに踏み込んだメンテナンスを行う必要がある事が分かりました。
今回調べた事以外にも、走行時に発生した細かな傷を補修するボディーリフレッシュなどのメンテナンスも15万キロ20万キロ乗る予定の方には必要と感じました。
メンテナンスにおいて、部品交換などを行うと費用も高くなってしまうため、10万キロ前辺りから早めの細かいメンテナンスを行う事をおすすめします。