ヴェルファイア「X」の評価とは?
トヨタの最上級ミニバン・ヴェルファイア。
最上級の「エアロボディ・ハイブリッド・エグゼクティブラウンジZ(750.8万円)」を筆頭に豊富なラインナップを揃える中で、最上級グレードの約半額の価格となる、最も安いグレード「標準ボディ X(車両本体価格335.4万円)」の実力を評価してみます。
ヴェルファイア x 評価|「標準ボディX」は安くてもお得なグレード
「ヴェルファイア」はアルファードの兄弟車で、フロントマスクなどが若者向けにデザインされていますが、中身は基本的に同じクルマです。
一般的にはヴェルファイアというと、高級感溢れるエクステリアと上質なインテリア、広々とした車室空間、快適な乗り心地、そして圧倒的な迫力と存在感を放つトヨタの最上級ミニバンというイメージで、最上級グレードの「エアロボディ・ハイブリッド・エグゼクティブラウンジZ」なら750.8万円という高級ミニバンです。
しかし、最も安価なグレードの「標準ボディX」なら、約半額の335.4万円で買えるという、この高いコストパフォーマンスの内容について検証してみます。
ヴェルファイア x 評価|最も安いグレードでも、内外装は高品質、装備も充実のコストパフォーマンス抜群の「標準ボディX」
最上級グレードの約半額という価格でありながら、基本的に同じ作りのクルマです。
その外観はもちろん、乗り心地や快適装備は殆ど変わらないので、とても335.4万円で買えるクルマには見えません。
上級グレードと比較すると、大きな違いとして「標準ボディX」は、「2.5Lエンジン(182PS)」のみの設定になり、シートカラーが「フラクセン(ベージュ系)」のみ、シート素材が「ファブリック」になる、コンソールボックスが「スタンダード」しか選べないという点が挙げられます。
しかし、「LEDヘッドランプ(ハイ・ロービーム)」、「メタルブラウンウッド+シルバー塗装インストルメントパネル」、「オプティトロンメーター」、「本革巻き4本スポークステアリングホイール」は標準装備されます。
さらに、2WDと4WDの両方から選択できるので、かなり「お得なグレード」といえます。
ヴェルファイア x 評価|リセールバリューの高さが魅力
ヴェルファイアの魅力に、リセールバリューの高さがあります。
傾向としてはアルファードよりもヴェルファイアの人気が高く、車体色は「ブラック」か「ホワイトパールクリスタルシャイン」の人気が高く、そして8人乗りよりも7人乗りの人気が高いという傾向があります。
駆動方式についてはカスタムベースとして用いる場合は車高が低く下げられるという観点から、4WDよりも2WDの査定額が高くなることがありますが、積雪の多い地域などでは4WDが重宝されるので一概にリセールバリューだけで決めることは出来ない点だと思います。
また、8人乗りよりも7人乗りの査定が高くなりますが、「標準ボディX」は8人乗り仕様しか選べません。
したがって、リセールバリューを考慮した場合は、自由に決められる車体色については人気色の「ブラック」か「ホワイトパールクリスタルシャイン」を選択した方が良いといえます。
ヴェルファイア x 評価|あと約100万円出せば「ハイブリッドX」が買える
「標準ボディX」でも十分に魅力がありますが、ハイブリッド版の最も安価なグレード「標準ボディ・ハイブリッドX」の価格が436万円という点も見逃せません。
ハイブリッドの場合は燃費が18.4km/Lに向上し、全車標準で「E-FOUR(電気式4輪駆動方式)」が搭載され、「ハイブリッド専用オプティトロンメーター」、「コンソールボックスが大型スタンダード(リヤエンドボックス付)」にアップグレードされます。
さらに7人乗りシート仕様も440.5万円で用意されます。
約100万円のコスト高になりますが、ガソリン仕様の「標準ボディX」でも4WDを選択すると360万円と、約75万円の価格差に縮まるので、4WD仕様を検討する場合なら、コンソールボックスのアップグレード、燃費や航続距離の大幅向上を含めて、「標準ボディ・ハイブリッドX」を選ぶという選択もあるかと思います。
ヴェルファイア x 評価|「エアロボディ仕様」との比較
ヴェルファイア「標準ボディX」が、如何にコストパフォーマンスに優れたクルマであるかについて説明しましたが、あえて指摘する点を挙げると、「X」は「標準ボディ」にしか用意されていないという点です。
現行ヴェルファイアのグレード構成は大きく分けて「エアロボディ」と「標準ボディ」の2系統が用意されていますが、現行ヴェルファイアのアイデンティティといっても過言ではない、迫力あるフロントバンパーのデザインは「エアロボディ仕様」ならではのものです。
なので、どうしてもエアロボディを選択するとなると、最も安いグレードで「エアロボディZ(369.2万円)」から選ぶことになります。
「標準ボディX(335.4万円)」に比べて約34万円高くなりますが、シートカラーが「ブラック」も選べる、「18インチアルミホイール」、「エアロボディ専用フロントバンパー、リヤバンパー、サイドマッドガード」が装着される点を考えると、少し見た目にこだわる方なら選択する価値があるといえます。
ヴェルファイア x 評価|ヴェルファイア「X」の総評
ヴェルファイア「標準ボディX」に近い価格帯と内容のグレードを挙げて比較してみましたが、特に選択する際に「エアロボディ仕様のエアロパーツは不要」、「シートカラーもフラクセン(ベージュ系)で充分」、「本革シートや大型コンソールボックスは不要」、「2列目がキャプテンシートの7人乗り仕様である必要はなく、8人乗り仕様で充分」、「タイヤも16インチで充分」、「約100万円高いハイブリッド仕様までは要らない」という方には、「標準ボディX(335.4万円)」は非常にお買い得なクルマといえます。
ノアやヴォクシーには無い、ヴェルファイアとしての迫力ある車体と内外装の高級感、広い室内と快適な乗り心地がこの価格で購入できる点で、極めてお得なグレードであるといえます。
ただし、4WDを選択する場合は価格が上がるので、「標準ボディ・ハイブリッドX(全車標準E-FOUR)」と比較検討した方が良いと思います。