ヴェルファイア19インチのオフセット値について解説します。
純正タイヤとホイールサイズから、ブレーキなどの部品に干渉しないで交換できるホイールやタイヤの幅やインチサイズなどをどう決めるかは悩ましいものがあります。
また「ツライチ」と呼ばれる車両の全幅いっぱいまでホイールサイズ広げるにはどのようなサイズのものを用意すればよいのでしょうか。
「ヴェルファイア」のカタログデータから逆算して解説します。
ヴェルファイア19インチのオフセット値と各グレードにおける違いについて
新型ヴェルファイアの車両の横幅は全グレード共通の1850mmとなっています。
左右のタイヤの中心を結んだ幅であるトレッド幅に違いがあります。
16~17インチタイヤを標準装備しているガソリン車のグレードでは、フロント1600mm、リア(2WD) 1605mm、リア(4WD) 1595mmとなっており、リアのトレッド幅が2WD仕様では少し広く、4WDでは少し狭くなっています。
18インチ標準装備のガソリン車では、フロント1575mm、リア(2WD) 1580mm、リア(4WD) 1570mmとホイールサイズが大きい分、25mm狭くなっています。
ハイブリッド車の場合は、フロント1600mm、リア1605mmと全グレード共通のトレッド幅となっています。
ヴェルファイア19インチのオフセット値と純正タイヤとホイールのスペックについて
新型ヴェルファイアには、純正タイヤとして16から18インチのタイヤが装備されています。
各インチのタイヤとホイールのスペックは以下の通りです。
・16インチ
タイヤサイズ表示 | 215/65R16 |
ロードインデックス | 98 |
タイヤ外径 | 685mm |
対応リム幅 | 6~7.5インチ |
ホイールサイズ表示 | 16×6.5J+33 |
リム幅 | 6.5インチ(165.1mm) |
オフセット | 33mm |
・17インチ
タイヤサイズ表示 | 225/60R17 |
ロードインデックス | 99 |
タイヤ外径 | 701mm |
対応リム幅 | 6~8インチ |
ホイールサイズ表示 | 17×6.5J+33 |
リム幅 | 6.5インチ(165.1mm) |
オフセット | 33mm |
・18インチ
タイヤサイズ表示 | 235/50R18 |
ロードインデックス | 97 |
タイヤ外径 | 692mm |
対応リム幅 | 6.5~8.5インチ |
ホイールサイズ表示 | 18×7.5J+45 |
リム幅 | 7.5インチ(190.5mm) |
オフセット | 45mm |
これらのデータを踏まえた上で、ホイールの取り付け位置から外側にどれくらいの長さまで外側にホイールの長さを伸ばすことが出来るかについて解説します。
ヴェルファイア19インチのオフセット値とホイール取り付け位置、車幅までの距離
タイヤ一本当たりの取り付け位置から車幅までの長さは、「(車体全幅ートレッド幅)/2-オフセット値」で算出することができます。この数値は「ホイールの取り付け位置から車幅側(外側)までのホイール幅の長さ」を表しています。
ホイールの取り付け位置から車幅いっぱいまでの距離を把握することでホイールのリム幅やオフセット値から、どこまでホイールを外側に出すことが出来るかを推測することができ、ホイールサイズを検討する際の目安として使用することができます。
それぞれの純正ホイール別のヴェルファイアで計算すると、
・16~17インチ標準装備タイプのヴェルファイアの場合、純正ホイールのオフセット値は33mmのため、
フロント 92.0mm
リア(2WD)89.5mm
リア(4WD)94.5mm
・18インチ標準装備ヴェルファイアの場合、純正ホイールのオフセット値は45mmのため、
フロント 92.5mm
リア(2WD)90.0mm
リア(4WD)95.0mm
・ハイブリッド車の場合、純正ホイールのオフセット値は33mmのため、
フロント 92.0mm
リア 89.5mm
となり、車幅の位置から92mm内側にホイールの取り付け位置があるということがわかります。このことから、タイヤとホイール選択の際にはホイール取り付け位置から、車幅の位置までの92mm未満のサイズにホイールの外側の長さが収まるようなサイズとオフセット値を選択する必要があることがわかりました。
ヴェルファイア19インチのオフセット値と車体中央側へ伸ばせる長さ
ホイール交換の際には、外側以外にも、ホイールがブレーキやサスペンションなど車体中央側についているパーツにあたることがないように気をつけなければなりません。
純正ホイールの場合、ホイールの干渉が起きないよう設計されているため、タイヤ交換の際には純正ホイールサイズに抑えておくことをおすすめします。
ホイール取り付け位置からの車体側までの長さは、タイヤの幅/2+オフセット値で計算することができます。インチ別の車体側の長さは、
・16インチ 140.5mm
・17インチ 145.5mm
・18インチ 162.5mm
となり、もっとも長い18インチの「162.5mm」を内側に伸ばすことができるの限界サイズの基準とします。
ヴェルファイア19インチのオフセット値とタイヤサイズ
ここまでで外側に89.5mm~95mm未満、内側を162.5mmのタイヤサイズにすることがわかりました。
タイヤローテーションなどを考慮すると、フロントとリアで変更するのではなく、4本ともに同じタイヤサイズに統一するほうが経済的です。そうするとどのヴェルファイアにも適合できるように、外89.5mm、内162.5mm未満の合計252mm以内のタイヤサイズを選択することになります。
252mmに最も近いタイヤサイズは、「255mm」ですが、3mmほどオーバーしてしまうためタイヤ交換以外の調整をする予定がない場合には使用することが出来ません。そのため、「245mm」のタイヤがもっとも適したタイヤということになります。
ヴェルファイア用の245mmタイヤの適合するものは、「245/40R19」と、「245/45R19」となります。
245/40R19のスペックは、
・リム径 :19インチ
・タイヤ幅 :245mm
・扁平率 :40%
・タイヤ外径:678mm
・対応リム幅:8~9.5インチ
245/45R19のスペックは、
・リム径 :19インチ
・タイヤ幅 :245mm
・扁平率 :40%
・タイヤ外径:703mm
・対応リム幅:7.5~9インチ
となっており、「245/40R19」の場合タイヤ外径678mmと純正タイヤより小さくなるためフェンダーとタイヤの隙間が大きくなります。インチアップと車高ダウンをセットでに行う場合にはこちらがおすすめです。
車高を下げない場合には、245/45R19がおすすめです。扁平率が高いため、40Rよりもクッション性が期待できます。
ただ、「245/45R19」のタイヤは、タイヤ外径が純正よりも大きくなるため保安基準や安全性の観点から外径の大きいものはあまりよくないという意見も多いですが、新型ヴェルファイアの最も使用されている17インチタイヤのタイヤ外形は702mmと計算上0.14%の速度増加とほぼ変わらないため、問題なく使用することができます。
ヴェルファイア19インチのオフセット値とタイヤ幅245mmに適応する限界値
「ヴェルファイア」の19インチおすすめのタイヤサイズは、245mmのタイヤということは前述しましたので、ここでは「245mm」タイヤの適応リム幅である7.5~9.5インチのオフセット値についてインチ別に限界値について解説します。
・7.5Jの19インチホイールのオフセット値の幅
7.5Jのリム幅は、190.5mm。フランジ幅が両側に13mm追加され、ホイールの全幅は216.5mmとなります。ホイールの中心は、「108,25mm」となります。新型「ヴェルファイア」の外側の限界値は、89.5mmに抑える必要があるため、「18.75mm以上」ホイールを内側にずらす必要があります。ホイールの内側の限界値は、162.5mmとしていますので、「54.25mm未満」まで内側にずらすことができます。
これらの結果から、7.5Jの19インチのホイールのオフセット値は、「19mmから54mmの間であること」が理論値となります。
・8.0Jの19インチホイールのオフセット値の幅
8.0Jのリム幅は、203.2mm。ホイール全幅は、229.2mm。
ホイール中心が114.6mmとなり、外側の限界値は「25.1mm以上」、内側の限界値は「47.9mm未満」となります。
結果、8.0Jの19インチホイールのオフセット値は、「26mm以上47mm以下」の必要があります。
・8.5Jの19インチホイールのオフセット値の幅
8.5Jのリム幅は、215.9mm。ホイール全幅は、241.9mm。
ホイール中心が120.95mmとなり、外側の限界値は「31.45mm以上」、内側の限界値は「41.55mm未満」となります。
結果、8.5Jの19インチホイールのオフセット値は、「32mm以上41mm以下」の必要があります。
・9.0Jの19インチホイールのオフセット値の幅
9.0Jのリム幅は、228.6mm。ホイール全幅は「254.6mm」となり、全グレードの「新型ヴェルファイア」対応の限界値である「252mm」をオーバーします。
参考までに、ホイール中心が127.3mmとなり、オフセット値の外側の限界値は「37.8mm以上」内側の限界値は「35.2mm未満」となります。
結果、9.0Jの19インチホイールの場合、外側にはみ出さないために、オフセット値を「38mm以上」にする必要があり、内側に「2.8mm以上」純正ホイールよりもはみ出すことになります。
・9.5Jの19インチホイールのオフセット値の幅
9.5Jのリム幅は、241.3mm。ホイール全幅は「267.3mm」となり、全グレードの「新型ヴェルファイア」対応の限界値である「252mm」をオーバーします。
参考までに、ホイール中心が133.65mmとなり、オフセット値の外側の限界値は「44.15mm以上」内側の限界値は「28.85mm未満」となります。
結果、9.5Jの19インチホイールの場合、外側にはみ出さないようにするため、オフセット値を「45mm以上」にする必要があり、純正ホイールよりも内側に「16.15mm以上」はみ出すことになります。
ヴェルファイア19インチのオフセット値のまとめ
ここまでの解説から、新型ヴェルファイアの19インチへのインチアップする場合には、
タイヤサイズ
・「245/40R19」か「245/45R19」のどちらかを選択
ホイールサイズ
・7.5Jならオフセット値は、「19mmから54mm」まで
・8.0Jならオフセット値は、「26mmから47mm」まで
・8.5Jならオフセット値は、「32mmから41mm」まで
の条件を満たすことで理論上、純正のホイールの仕様から大きく逸脱しないためそのほかの修正なくインチアップすることが出来ます。ですがこれはカタログのデータから計算した理論上のデータのため、あくまでも目安の数値です。車それぞれの個体差によって微妙にずれるという報告もあり、データ通りにならない可能性も大いにありますので、ネットなどで交換するホイールやタイヤを決めた場合には、一度カーショップなどで専門家に相談することをおすすめします。