プリウスのシフトレバーは「操作性がわかりにくい!」と感じておられる人は少なくないのではないでしょうか?
AT車の中でも独特の形状をしたプリウスのシフトレバーですが、先進的で未来をイメージさせるような印象を与える一方、操作性の面から考えると難点もあるように思います。
ここでは、プリウスのシフトレバーがわかりにくいと言われる原因について、歴代モデルや他車と比較しながら解説してまいります。
プリウスのシフトレバーがわかりにくい原因は|初代との比較
4代目となる現行プリウスを、初代モデルと比較してみましょう。
初代モデルのシフトレバーは、まだATではなくMTであったため、現行モデルのようなATシフトレバーとは形状が大きく異なるのが特徴です。
バスやトラックに採用されているような長いスティック状のシフトレバーで、現代のAT車のようにシフトポジションが記されていません。
そのため、動かしたときの感覚で何速になっているかを把握するような造りとなっています。
それに比べて、現行モデルは、手で握る部分が小さく、MT車のように操っている感覚が得られないため、操作感がわかりにくいのではないでしょうか。
プリウスのシフトレバーがわかりにくい原因は|2代目との比較
2代目モデルのシフトレバーから、現行のシフトレバーととてもよく似た形状が採用されています。
いわゆるドライバー側から見るとアルファベットの逆h形をしています。
上から順に、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、そして、突き出した部分にB(ブレーキ)という構造になっており、ほぼ同じです。
大きく異なるのは、握る部分の色だと思います。
2代目では、ダッシュボードやハンドルの色に近いグレーでしたが、現行では青色となっているため、目立つという意味では、現行モデルのほうが見やすいかと思います。
しかし、2代目モデルも、初代モデルのような操る楽しさを感じにくい形状となっていることが、操作性のわかりにくさを助長しているのではないでしょうか。
プリウスのシフトレバーがわかりにくい原因は|3代目との比較
3代目モデルのシフトレバーも2代目、現行モデルと同じようなシフトポジションになっています。
その他の類似点は、現行モデルと同じく握る部分が青色をしていることです。
ダッシュボードやハンドルと色の区別がしやすいため、どこにシフトレバーがあるのかをパッと把握することができます。
一方、3代目が現行モデルと比べて大きく異なるのは、シフトレバーの向いている先(角度)ではないでしょうか。
3代目モデルでは、ほぼ天井の方へ向けられていますが、現行モデルは、ドライバーの方へ向けらています。
現行モデルのような向きだと、手のひらを前に向けた状態でシフト操作をしなければならず、少々ぎこちない動きとなってしまうため、操作性が分かりにくいと感じる人が多いのではないでしょうか。
プリウスのシフトレバーがわかりにくい原因は|他のトヨタ車との比較
プリウスを世に出しているトヨタ自動車の他のモデルと比較してみましょう。
多くのトヨタ車は、現行プリウスと同じような電子式シフトレバーもしくは、ガソリン車に多く採用されているようなゲート式シフトレバーの2種類を採用しています。
ゲート式は、名前の通り、ゲート(入口)を進むように階段状のジグザグした見た目になっています。
シフトポジションもオレンジや緑など、多彩な色分けによって、どのポジションに入っているかが一目で分かるような造りです。
握る部分も細長く、どちらかというと初代プリウスやMT車を連想させるような形状です。
そのあたりからも、現行プリウスのシフトポジションが色分けをされておらず、小さな握り手になっていることが、操作性をわかりにくくしてしまっていると考えられます。
プリウスのシフトレバーがわかりにくい原因は|トヨタ車以外の車との比較
トヨタ車はゲート式のシフトレバーを採用していることが多いと説明しましたが、他のメーカーのモデルに採用されることが多いのは、ストレート式です。
ストレート式は、上から順に、P(パーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、B(ブレーキ)or S(セカンド)となっています。
ゲート式とは違い、階段状になっていないため、どのポジションに入っているのかを感覚で把握するのは難しいです。
しかし、それ以外の点では、長いスティック状のレバーがポジションを入れた位置で止まるため、シンプルで分かりやすい構造と言えます。
それと比べると、電子式である現行プリウスは、ポジションに入れた後も、すぐ所定の場所に戻ってしまうため、メーター表示でポジションをしっかりと把握する必要が出てくるのです。
そうした煩わしさが操作性のわかりにくさに直結しているのではないでしょうか。
プリウスのシフトレバーがわかりにくい原因は|総括
ここまで、プリウスのシフトレバーにおける歴代モデルとの比較、トヨタ車および他のメーカーのモデルとの比較をしてきました。
大まかに現行モデルの特徴を述べると、「力を必要としないように指先で摘まむだけで操作ができてしまうスモールサイズのシフトレバー」という表現が当てはまります。
マニュアル車のような直感的に操っている感覚を持っていないこと、シフトポジションの明確な位置が定まりにくい造りとなっていることが、操作感がわかりにくいと言われる原因ではないでしょうか。